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その1

「勉強が嫌いだ。というか高校が嫌いだ。」


そう言いながら

俺は高校から最寄り駅までの道を

歩いていた。


高校からの帰り道は、

理想の青春ライフとは程遠い。


コンクリート塀で囲まれた、下手したら

女の子とぶつかりそうな十字路。

幼馴染の家がぽつぽつありそうな見慣れのある

住宅街。  


そのようなものは一切なく、

県を跨いで通っているだけに

見覚えはあるが帰路はただの家やビルの並ぶ

ただの「道」なのだ。おまけに電車は行き帰り共々人臭い満員電車に揺られている。


これじゃあ濁った灰色の春、略して灰春。いや

敗春じゃねぇか!!、と悲鳴を上げた、



その時―

「少年。」と後ろから肩を叩かれた。

振り返ってみると二十代ぐらいのの美人の姿が。


髪は茶寄りの黒で髪型はストレートのロング。

顔はクール系と言った所だろうか。


「はい?」  

と身に覚えはないが何かやらかしてしまったのだろうかと思いながら、

この人綺麗だなとも思いながら、返事をしてみると

返って来たのは意外な返答だった。


「お茶でも飲みながら腹を割って話さないか?」

???

初対面というかただの通行人にお茶しようなんて

言うのだろうか。やはり何かやらかしてしまったのだろうか。


見知らぬ人についていくのも、ましてその人と仲良く喋るのも小学校からの防犯セミナーとやらで習っているはずだが、、、


「え、い、行きます!」

、、、言ってしまった。

するとまるでわかり切ったかのように笑い、、


そして、少し間を置いてから、その美女は

駅前のヨネタコーヒーにでもいくか、と言い

歩き出した。


普通に当人が可愛かったのと何故か好奇心が湧いてきたというのもあって

一般的な常識と小学年来の禁忌を破りついていくことにした。

こうして俺の重症化した屁理屈と逃げ腰に一生に一度の転機が訪れるのだった。――


すっかり辺りは暗くなり駅周辺は飲食店のライトに包まれていた。

店へ入ると中は少し混んでいた。

それから何を話そうかと考えあぐねたものの、

何を話せばよいか分からない。

つかそもそも、縁もゆかりも無い女性に話す事なん

てないだろ!

と女性経験の不足による顕著な緊張と共に、

手に汗滲ませながら心の中で叫んでいると、

先に美女の方が話を切り出した。


「私は宮下小春というのだが、君の名前は?」


後ろから肩をかけられた時、あまりに一瞬の事だっ

ばかりに声がよく分からなかったが、

声は少し低めで落ち着く声だなと思った。


「、、」


返事をしようと声を出そうとしたのだが声が出ない。緊張で音が喉を通らない。やはり女性とは喋れない。そもそも女性はおろか、面倒くさい物や大変なことから逃げてきた、そんな人生だった。


少し無音の時間を置いてから、

突然彼女が口を開いた。


「君友達いないというか、少ないだろ」

「え、?」

「あ、はい」


え、?わ、悪口というか、え自己紹介のあとにそれ言うんすか?ちょっと失礼だ。

すると彼女は笑いながら言った。


「だと思った。まぁまぁ気楽に話してくれ。」

…何故だか少し声が出やすくなった気がする。

「〜〜〜〜」

それから色々話した。

自己紹介とそれから数少ない友達と過ごしたところであまり楽しくない事、自分が一応進学校の田中高校に通っている事などetc.

一応自分も喋り出してみると割と喋れるもんだなと思う。

一応連絡交換もした。これはデカい。なかなか。


「そろそろ帰らないとまずいんで帰ります。」

「おおそうか、また連絡する。」

これはもしかして付き合えるのではと思った

その時だった。

彼女は迫真の表情で椅子から立ち上がり叫んだ!

「何当たり障りのない事ばっか話してんだ!」

??

へ?

「もっとひねくれてるだろお前は。」

???

ん?

「敗春とか、恋愛◯Dとか言ってたよな!」

あれ。心読まれてるくね?

「ん、あ、はい。」


「私はな、ひねくれてる奴が好きなんだ!!」

ん、心というか性格までバレてる感じだな♫多分。

バレてる?

自分の中でバレてる判定なの結構悔しい。

つか恋愛◯Dって昼間外で飯食ってた時の

俺の内心(ひとりごと)じゃねえか!

あとひねくれてる奴が好きってどんな物好きだよ。

「その一、私と話す時はひねくれておくこと

 その二、私には敬語を使わないこと

 その三、善人ふりをしない事!、いいな?!」

…ひねくれておくってどうしろっつうんだよ

つかキャラ変わりすぎだろ。


叫んだこともあり、店にいた大半の人達の視線の矛先は俺達の方に向いていた。


他人に視線を向けられるのは好きじゃない。とりあえず帰りたい。話が変わるけど結局彼女は心を読むことができているのだろうか?


一悶着あってやっと家に着くことができた。

とりあえず明日また会うとだけ伝え、店の前で解散した。


やりたいことは微塵もないが、やらなければならないこと(宿題)は腐るほどある ので ?

ベッドに身を放り投げた。


そもそも何故俺を話相手としたのだろうか。

何故卑屈な人間が好きなのか。

何故年下の男性に対等(生意気ですらあるだろう)な言葉遣いという、対等な(かかわり)を求めたのか。

そういや名前結局言ってないな。もうなんか言わなくても知ってそうではあるけど。

ほんとに彼女は心を読むことができるのだろうか?

綺麗な人ではあるが、そのような事が吹き飛ぶほどにキャラの濃い人だ。



今日は寝てまた積もる話は明日することにしよう。

できれば人気のない所で。





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