夢の後
あの夏の日僕は知らなかった。
あの子と出会っていた事に…
「晃…!晃!!!!!!」
誰かが呼んでいる声がする。
誰だかわからないが、それより息ができなく苦しい。
……はっ…!!……はぁ…はぁ
目が冷めたと同時に部屋の扉が開く音がした。
「晃!なかなか下に降りてこないから、起こしに来たけど汗がすごいわよ?」
「まさか、またあの夢を見たの?」
僕は水に溺れる夢をよく見る、けれどいつもと違って懐かしさを感じたが苦しさで何がなんだかわからなかった。
「うん…でもね…」
「でもね?」
「……そこまで怖くなかったよ。」
母と会話をしているのにもかかわらず、誰かに呼ばれた後その人に手を引っ張られたのを思い出した。
「あきら……晃…?大丈夫…?難しい顔して…」
「母さん大丈夫だよ、そろそろ支度をするね」
「わかったわ、何かあったら呼びなさいね。」
一体誰だかわからないけど、どこかで覚えてるような感覚だ。
「学校に行く途中怪我をしないように気をつけるのよ?何かあったら先生でも同級生でも声をかけなさい?」
母がここまで心配しているのは僕が小さい頃に水難事故に遭ったらしい。
それを僕は覚えていないが、事故の事を母は教えてくれない。
それがあってなのかわからないが母は今まですごく僕を心配している。
「もう母さんわかってるよ、もう今日から高校生だし、心配かけることも少ないと思うよ。じゃあ行ってくるね!」
「ちょっと!!晃ー!!」
……あいつ遅いな、いつまで待たせるんだ。
いつも幼馴染と待ち合わせている場所があり、それは陽のあたるベンチでいつも待ち合わせている。
今日はやけに来るのが遅いが何かあったのだろうか。
「晃!ごめん!待っただろ?」
「僕も遅刻しそうになって、いまさっき着いたところだよ」
僕も朝何かを思い出しながら歩いていたので少し遅刻しそうになっていた。
「和哉が遅刻なんて珍しいな、何かあったのか?」
「うちの母ちゃんが押し入れににダンボールを入れてて、重そうだったから手伝ってたんだ」
「母ちゃん足腰悪くなったから無視はできなくて…」
和哉は誰かが困ってたり、悩んでたら積極的に助けてあげるタイプで、中学生の頃僕がクラスの人と馴染めてなかったのを見つけて僕に話しかけてくれたりもした。
「あ、そうそうダンボール整理してたときに写真見つけたんだよ。」
「写真?」
「だいぶ小さいときの晃と俺とあと一人写ってるけど誰だかわからなくて思い出せねぇんだよなぁ…」
僕ら以外にもう一人写っている…誰だろう?




