先輩ミミックのある日ダンジョンの片隅でのちょっと前の出来事。
先輩ミミック (シズオカ)
二つ名持ちのミミック(B+)
ダーク魂にいそうな宝箱に細い手足が生え、口を開けると蓋と本体の縁にサメ歯のような歯がぎっしり並んでる。
普段は膝立ちした大人が寝てすっぽり入るくらいの大きさの銀~金箱の本体に美しい装飾された当たり箱を担当、擬態を解くと血を浴びたような錆びにまみれた色に変わり、1-2メートルほどの手足を代わりの木材にも金属にも見える形状変化する触手を4本ほど生やし、立ち上がり内部に1つ浮かぶ目玉のように見える疑似核から様々な状態異常魔法を放出し襲い掛かる。
ミミックちゃん
異常個体ミミック (D+)
生後数か月のミミックちゃん、他のミミックと違って普段もじっとしてない。
姿は贈答用のワインが入るくらいの長方形の木箱、擬態を解くと先っぽが丸身を帯びた逆円錐形の手足が生える、なぜそれで走れるのか物が持てるのかは本人も分からず、パンドラママも分からず、だれも分からない。
普通のベビーミミックは先が割れた棒状の手足が生える(鳥脚みたいな)
私はシズオカ、母なるパンドラから生まれたダンジョンマイスター様にユニーク固有化を施されたミミック。
数か月前、いつものように人間達の言う[当たり箱]としての職務を遂行し、嬉しそうに今しがた私が譲渡した大盾と少量の魔金貨を手にはしゃぐ人族男女の2人と兎獣1人のパーティーを微笑ましくみてると、このダンジョンのマスター、母なるパンドラから私個人へと呼び出しが掛かった。
私個人へと連絡が来るときは大体が悪質な冒険者へのお仕置きや排除のために緊急性が高く、もう少しこの手にした大盾をかかげ、「これでお前を今よりもっともっと守ってやるよ!」と、嬉しそうに同じパーティーの小柄な男性に宣言している女性を見ていたかったが。
(母なるパンドラ、いかがなさいましたか?)
((いきなりすいませんね、まぁ、ちょっとした問題がおきましてね・・・。急ぎではないので今対応している人たちがいなくなってからでも構いませんのでコアルームへ来てください))
(・・・? わかりました。現在対応中の方たちはとても上質な感情が吸収出来て素晴らしいです。見てください・・・、この尊いやり取りを。)
「ぼっ、ぼくだって守ります!少しでも怪我したら言ってください!!」
「おっ、おう! お前がいつも後ろを守ってくれるから俺も全力でお前を守れる!俺たちは最高なパートナーだ!」
「あのー、ボクも守っていただけるととてもうれしいのですがー・・・?」
「!? もっもちろんです!サポーターさんももちろん守ります!」
「おっおう!もろちんだ!うさちーのことももちろん全力で守るさ!」
「はぁ、本当ですかー?今みたいな二人だけの世界に入ったりして忘れたりしないでくださいよ?」
「「はい。」」
(いい・・・!!とてもいいです!力が漲ってきます!この二人はどんな関係・・・いえ、どこまで進んでるんですか気になりませんか母なるパンドラ?私が思うに・・・・・・)
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((・・・・そうですね。私もそう思います。ええ・・、気が済んだらコアルームまで来てくださいね。頼みましたよ。))
(あ、・・・・・はい。わかりました。)
いけないいけない、つい母なるパンドラにいかにこの二人から溢れる感情エネルギーが素晴らしいか語ってしまいました。
でも私は悪くないと思うんですよ、私が母なるパンドラへ考察を伝え終わっても尊いやり取りを繰り返してる二人が悪いのです、信じられますか?手に入れた盾をサポーターさんが簡易鑑定をして、譲渡前に二人の関係を察した(邪推した)私が追加で付与したとある感情を糧に性能を上昇させる効果が判明すると恥ずかしそうに見つめ合っては逸らすという・・・・あああああああああ!!!
見ましたか?無意識に手を握ろうとして触れた瞬間弾かれたように離れましたよ!?
ハァハァ。。たまりません・・・。
「・・・!?」ビクッ
あっ!しくじりました。
サポーターさんと目が合ってしまいました。
開封後の半開きの隙間が疑似核で記録してたのを見られてしまいました・・・、ああ待ってください!サポーターさん!二人に言わないで!急かさないで! ああ…、行ってしまいました。
かなしいです、やる気もなくなってきました。
でも最後はサポーターさんから何か告げられた途端にオスの顔になって男性の方が女性の手を力強く握って走っていきました!女性の顔は見えませんでしたが・・・、サポーターさんの顔を見るにメスの顔をしてた気がしますねぇ!!
ふぅ、追加の付与分以上の感情エネルギーは回収できましたし大当たりでしたね。
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どこまでも暗い、宙にほんのり光っている大きな球体が浮かぶ部屋。
通常のミミックの数十倍大きな黄金の箱が鎮座するダンジョンのコアルーム、そこにほくほくスキップしながら入ってくるミミックがいた。
(遅れました、母なるパンドラ)
((ええ、だいぶ遅かったですね?お楽しみのようでしたね?))
(はい!それはもう!なんといっても・・・)
((待ちなさい、まず私の用件を聞きなさい。))
(・・・はい。)
((あなたは本当に・・・、まぁいいでしょう、此度呼んだ理由というのも今回の生まれた子供たちの中に異常個体が誕生しました、その子をあなたに預けます。))
(え、私に・・ですか?)
((ええ・・・、貴方は何というか、半分異常個体異常個体みたいになっちゃってますしね、相性は多分いいでしょう。どうしてこんな子に育ってしまったのか。))
(あはは・・・、わかりました、その子はどちらに?)
((あの子です、あの走り回ってる子がいるでしょう? こら!大人しくなさい!))
そう言い母なるパンドラが手を伸ばし捕まえようとしているその先にその子はいた。
他の同時期に生まれたミミック達にぶつかっては盛大にスピンをかまし、止まって、また走るを繰り返す他のミミックとは違った手足を形成している不思議な子だ。
いや本当にあの形の足でどうやって走ってるのか本当に不思議だ。
そんなことを思いながら母なるパンドラとその異常個体の子の攻防を見ていたがそこは数百倍レベルの体格差、ほどなく捕獲されると異世界の景品獲得口にリリースされるがごとく私の手の上に落とされ、すぐさま逃げようとする子を逃がさぬよう壊さぬようしっかりと掴むと。
はーなーせーと、でも抗議するかのように掴んだ手をまだ歯も生え揃っていない口であむあむと齧ってくる姿に先輩ミミックはキュン死するところであった。
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とある兎獣人のサポーター達
「あれが見なかったことが推奨されているミミックでしたか、襲ってはこないと聞きましたが・・・、あの血走った目は言い知れぬ恐怖を感じましたね」
「ぼっぼくも初めて見ました、あれがこのパンドラダンジョン固有モンスターのミミックですか、本当に宝箱に擬態してるんですね。」
「・・・・・・・」
「ええ、まだこの階層では手順を踏まない無茶な開け方や埋没箱に手を出さなければ襲ってくることもないただの宝箱と変わらないと存在とダンジョンマイスターから告知されています。」
「・・・・・・」
「そうなんですか、襲われないとわかっていてもあの血走った眼を見ると・・・、あれ?どうしました?」
「っ・・・、手っ!」
「っ! すみません!!女性の手をあんなに引っ張ってしまって、ああ、こんなに赤くなってしまって!すぐ治療します!」
「っ! いやっ!!いいっこのままでいい!魔力がもったいないだろ!!」
「でも、、」
「いいったらいいんだ! それより今日はもう引き上げるぞ!ほら!!」
「あ!はい! あっ待ってください! サポーターさんすみません今日はここまでにします!」
帰るぞと差し出された手を嬉しそうに握ると、サポーターさんを置いていくかのような早さと強さで引っ張る強引な彼女にびっくりしながらも幸せそうな顔をする。
そのやり取りを見て、やれやれといった顔で追いかける兎のサポーター、三人はその後二人の世界を邪魔されないままモンスターや他の冒険者にすら出会わないまま無事ダンジョンの入り口付近までずっと手をつないだまま歩いて帰還した。
なぜか足食いちぎるとこまで話まで書くつもりがオネショタパーティーのこと書いてました。
ランク
D 訓練した成人男性=知性が(余り)ないモンスター (ゴブリン等)
C C級冒険者=知性があり一般成人を超える身体能力(オーク等)
B 知性あり+C級冒険者を超える身体能力高いモンスター
+ ランク定義+特殊能力か、1部ランク以上の高能力
- 1つ下のランクの群れや3-4人(匹)パーティー




