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枯れゆく心

両親の2度目の離婚をきっかけに祖父母の家に戻って中学校も最後の年になっていた。

相変わらず夜は眠れず、学校に行っては寝てばかり居た。

そんなにお腹も空かなかった、だからご飯も少ししか食べなかった。

お弁当がある日も祖父母には伝えなかった。

迷惑をかけたくなかった。

「あんたを産んだのは失敗だった」

この失敗作宣言は僕の心を枯らした。

なんか本当にどうでも良くなった。

あの時に命を投げ出さなかった自分は偉いと思う。

そして進路の事の三者面談の時期がくると、僕は先に先生と面談して言われたのは

「分かってると思うけどお前は普通の高校には行けないぞ」

まぁ、そうでしょうね先生。

そりゃそんな中学生活して良い高校行きたいですなんて言わなかった。

むしろ進学に興味もなかった。

就職するかとも思っていたが、自分の未来に本当に関心がなかった。

それでもどこか高校にって話になっていたのは母の言葉

「高校には行きなさい、恥ずかしいから」

自分がこんなだからそれはそうなのだろう。

文字通り、恥ずかしい話である。

意外にも三者面談には母が来た。

僕は来ないと思っていた。

嬉しいとは思わなかった、世間体なんだろうなと思っていた。

僕の事ではなくて行かないと自分が恥ずかしいから。

この三者面談で僕は工業高校の定時制に行くことになった。

ちなみに学科は電気科だ。

それから卒業までは特に何もなかった。

本当に何もなかった。

それほど何も築き上げてこなかったからだろう。

高校の受験は良い経験になったと思う。

試験の方は全然であったが、面接はスムーズに話せていたと思う。

面接が上手くいったおかげしかないのだが、高校受験は無事に受かった。

家族は良かったと言ってくれていたが、どういう意味で良かったと思っているのか

僕はその言葉を素直に信じる事はなかった。

本当に捻くれていると思う。

中学校卒業から高校入学まで、何も考えずに過ごした。

何も考えたくなかった。

先の事を考えてもただただ億劫になって、何もしたくなくなった。

祖父母の家の縁側で日差しに当たりながら、中学校の時に書かされた大人になった自分への手紙の事を考えていた。

ちなみに大人になった今でも手元に返ってきてはいない。

なんでも、埋めた場所が分からなくなったとか。

返してください。

内容はほぼ覚えているから問題はないのだが、若い自分が書いたものが手元に返ってきたら、きっと感慨深いのだろう。

ちなみに中身はこうだ。

「大人になった自分へ

今どう過ごしていますか?仕事は真面目にやっていますか?相変わらず死にたいのですか?生きるって苦しいですね、今の僕でもそう思うから大人になってからはもっとそうだと思います。

大切な物はありますか?大切な人は出来ましたか?きっと大切にするってどういう事か分からなくてたくさん悩むと思います。

僕は頭が悪い、きっとこれからもそうだと思います。だからどうか大切な人が出来たなら、その人を大切にするその事だけは一生懸命頑張ってください。

大切にされたかった僕が誰かを大切にしようとしたなら、きっとその時は大切な人に大切に愛してもらえるから。」

忘れた事は無い、15歳の自分との約束。

思い出したらとても恥ずかしい限りです。

「僕は誰からも愛されない」

それは育ってきた環境とその環境で歪んでしまった自分の心のせい。

叶う事のない願いと自分との約束を背負いながら、僕の心は確実に枯れていった。

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