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第九十三話 認められた婚約

 国王陛下と王妃殿下は、わたしの今日一番の熱意を込めた言葉を聞き終えた。


 わたしは、伝えるべきことは伝えることができたと思っている。


 国王陛下のわたしに対して言った二つ目の話までは、好意的な反応だったと思う。


 今回についても、好意的に受け止めてもらえれば、オクタヴィノール殿下の婚約は認めてもらえるはず。


 それが、わたしのただの思い込みでなければいいのだけれど……。


 国王陛下と王妃殿下は、二人で協議をしている。


 どういう返事が返ってくるのだろうか?


 いきなり、


「オクタヴィノールとの婚約は認めない!」


 という話をしてくるのだろうか?


 もしそうなった場合は、婚約を認めてもらうように、オクタヴィノール殿下と一緒にこの場で一生懸命努力をしていかなくてはならない。


 いや、認めないということ自体がありえないと思う。


 そして、わたしのそばにいるオクタヴィノール殿下は、


「あなたは、萎縮するどころか、力強さを持って父上に対応していました。そして、その持っている熱い想いを父上に伝えました。これはすごいことですし、わたしにとってもありがたいことです。父上も母上もきっと、わたしたちの婚約を認めてくれるでしょう」


 と言ってくれた。


 それに対し、わたしは、

「ありがとうございます。でもそれは、オクタヴィノール殿下がそばにいていただいたことが大きいと思います。わたし一人だったら、多分、萎縮していたかもしれません」


 と応えた。


 わたしたちは国王陛下の返事を待った。


 胸のドキドキが大きくなってくる。


 すると、王妃殿下と協議を終えた国王陛下は、まず、オクタヴィノール殿下に、


「お前にはこの間、話を聞いているが、もう一度確認する。あれから心に変化はないということでいいな。リディテーヌさんを愛し、一緒に幸せになり、この王国の人たちを一緒に幸せにしていく努力をしていくという心に変化はないな」


 と厳しい口調で言った。


 しかし、オクタヴィノール殿下はそれに圧倒されることはなく、


「以前申しましたことからの変化は、全くありません」


 と、しっかりとした口調で、しかも微笑みながら言った。


「お前の心、しっかりと受け取った」


 国王陛下はそう言うと、わたしの方を向き、


「リディテーヌさん、あなたは想像以上に素敵な方だった。あなたとオクタヴィノールの婚約を認めることにしよう」


 と言った。


 王妃殿下も、


「リディテーヌさん、あなたのような方が、わたしの後の王妃になってもらえれば、オクタヴィノールと一緒になって、きっと、このルクシブルテール王国を発展させてくれるでしょう」


 と言ってくれた。


 わたしはその言葉を聞いた瞬間、胸が熱くなり、涙がこぼれてきた。


 これで、オクタヴィノール殿下とわたしの婚約が認められた!


 オクタヴィノール殿下の目からも涙がこぼれてきている。


 そして、オクタヴィノール殿下は、


「父上、母上、婚約を認めていただき、ありがとうございます」


 と涙声で言った後、頭を下げた。


 わたしも涙声になりながら、


「国王陛下、王妃殿下、オクタヴィノール殿下との婚約を認めていただき、ありがとうございます」


 と言った後、頭を下げた。


 そして、国王陛下は、


「正式な婚約の成立は、正式な婚約式を終えた後になる。これから、手続きや準備をする必要があるので、時間がかかると思う。しかし、婚約式というのは形式的なものだ。今日、わたしが二人の婚約を認めた時点で、この王国では、リディテーヌさんをオクタヴィノールの婚約者として扱うものとする」


 と言ってくれた。


 これは予想外のことだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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