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第八十一話 説得を続けるオクタヴィノール殿下

 オクタヴィノール殿下の話はさらに続く。


「わたしが父上と母上に、リディテーヌさんと婚約したいというお願いをし終えると、しばらくの間、お二人は黙ってしまいました。それから沈黙の時間がしばらくの間続きましたが、やがて父上は、『お前がそこまで言うのなら、よほど素敵な女性に違いない』と言ってくださったのです。そして、母上も、『お前がその方のことを絶賛するのであれば、きっと素敵な方なのでしょう』と言ってくださいました」


 お二人ともわたしをそのように思ってもらうというのは、ありがたいことだ。


 でもおそれ多いことで、恐縮してしまう。


「ただ父上はその後、『お前の言うことは理解できないわけではない。しかし、お前は一時の熱情だけで動いているかもしれない。もしそうであれば、いずれかの時点で、その相手のことが嫌になることがある、そうなった場合は、別れるところまでいく可能性だってある。別れることになった場合は、お前以上にその相手が傷つくことになる。また、相手はデュヴィテール王国の公爵家の令嬢だ。このような場合、同じ王国内でもしこりが残るのに、違う王国ともなれば、外交問題にも発展しかねない。また、その相手は、心が強い方なのだろうか? ただでさえ、妃というのは様々な苦労がある。違う王国出身の妃ともなれば、好意を持たないものが増えるだろう。そこはお前と一緒に立ち向かっていかなくてはならないが、まずはその相手の心が強いかどうか、そして、お前が支えて、一緒にやっていける自信があるかどうかだ。いろいろ申したが、ここがきちんとしていなければ。婚約者、そして妃として向かい入れることはできない。お前は今までのわたしに対して、どう返事をしてくれるのだ?』とおっしゃりました。厳しい言葉でした」


 国王陛下はオクタヴィノール殿下に厳しい言葉を言っている。


 しかし、一方で、オクタヴィノール殿下とわたしのことを気づかってくれていると思った。


 国王陛下が言うように、わたしの心が強くなければ妃としてはやっていけないだろう。


 そして、わたしたちは一緒にやっていける自信がなければ、結婚生活は成り立たないと言っていい。


 わたしは、今までのいろいろなつらい経験をしてきた。


 その過程で、心は強くなってきたつもりだ。


 妃として耐え抜けるだけの心の強さは持っていると思っている。


 オクタヴィノール殿下はどう言ってくれたのだろうか?


「わたしは父上がおっしゃったことに対して、『父上、わたしのリディテーヌさんに対する想いは、気まぐれでも、一時的な熱情でもありません。心の底からリディテーヌさんのことを想っているのです。一生、リディテーヌさんのことだけを愛していきたいと思っています。それだけの想いを持っているのでございます。そして、リディテーヌさんは心のやさしさを持ちながら、しかも心が強い方です。きっと、妃としてやっていけると思っています。わたしはリディテーヌさんのことを全力で支え、この王国に尽くしていくとともに、一緒に幸せになっていきます』と返事をしました。すると、父上は、『お前の言うことは理解した、一時的な熱情で好きになったわけではないことも理解した。リディテーヌさんは、妃としてふさわしい人なのだろう。お前がそこまで賞賛するのだから。そして、お前のこれからの覚悟も理解した』とおっしゃったのです。母上も、『お前の覚悟も理解したし、リディテーヌさんが素敵な方であることも改めて理解しました。その方ならば、妃にふさわしいと思っています』とおっしゃってくださいました。ここまでくれば、婚約の許しは出るだろうと思っていたのです」


「面白い」


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