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第七十二話 恋人になってほしい

 わたしはオクタヴィノール殿下に評価されていた。


 それはとてもうれしいことだった。


 今の時点で、わたしの悪い評判を聞いても評価してくれているので、今後、よほどの悪い評判がオクタヴィノール殿下の耳に入ることがない限り、わたしのことを嫌いになることはないだろう。


 わたしはホッとした。


 もちろん、それで安心していてはいけない。


 今はまだ、生まれ変わろうとし始めたところ。


 これからオクタヴィノール殿下にふさわしい女性になる為、もっと努力をしていかなければならない。


 そう思っていると、オクタヴィノール殿下は、


「この前の舞踏会で、わたしはあなたとダンスを踊りましたが、今まで生きてきて、これほどの素敵な時間を過ごしたことはありませんでした。あなたのダンスが想像以上に上手だったこともあります。しかし、それ以上に、あなたという『運命の女性』と踊ることができたというのが、大きかったのです。わたしのあなたへの想いは一気に高まりました。このままあなたに告白しようと思ったのです。しかし、あなたとこうしてきちんと接したのはこれが初めてでした。それなのに、いきなり告白したのでは、多分あなたも困惑してしまい、断られ断られる可能性が多くなるだろうと思ったのです。でも告白したいという気持ちも大きかったのでした。しかし、わたしが躊躇している内に、出席者がわたしを祝福する為に押し寄せてきました。その為、わたしはあなたに、お茶会のお願いをすることができず、告白することは、こうして一週間も待たされることになったのです。わたしはその夜からあなたに恋い焦がれるようになりました。そして、舞踏会の後、すぐにでも告白すればよかったという気持ちで苦しんでいたのです」


 と少し恥ずかしそうに言った。


 しかし、その後、すぐに心を整えたオクタヴィノール殿下は、


「リディテーヌさん、わたしはあなたのことが好きです。好きで、好きで、心の中がもう壊れてしまいそうになっています。どうかわたしの恋人になってください。そして、わたしの妃になってください。お願いします」


 と熱意を込めてわたしに言った後、頭を下げた。


「わたしの妃になってください」


 わたしはその言葉に、とても驚いた。


 もちろん、わたしの目標もそこだった。


 オクタヴィノール殿下の妃になって、一緒に幸せになりたいと思っていた。


 しかし、今の時点で、オクタヴィノール殿下の方から申し出てくるとは……。


「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」でのオクタヴィノール殿下ルートでのオディナティーヌは、もっと時間をかけて親しくなっていた。


 そのことを思うと、はるかに短期間で親しくなってきていると言える。


 オクタヴィノール殿下がこうしてわたしのことを想ってくれるのはうれしい。


 うれしいのだけど、この後、わたしに対する愛が急速に冷めてしまったら……。


 その可能性もないとは言えない。


 もしそうなったら、わたしたちは別れることになってしまう。


 そして、わたしの心は壊れてしまうかもしれない……。


 そう思っていると、わたしはわれにかえった。


 いや、わたしは一体何を思っているのだろう。


 わたしはオクタヴィノール殿下のことがもともと好きだ。


 そして、オクタヴィノール殿下への恋する心は、オクタヴィノール殿下のわたしへの告白を受けて、今までにないほど高まってきている。


 それなのに、なぜマイナス方向のことを思ってしまうだろう?


 オクタヴィノール殿下とわたしがこれから仲を深めて、愛を高めていけば、きっと結婚までたどりつくことができ。結婚後もラブラブでいられるはずだ。


「面白い」


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