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第六十六話 公爵家の後継ぎ

 こうして、継母の策略を阻止したわたし。


 継母がわたしに好意を持つことは難しいのかもしれない。


 しかし、わたしに対する嫌味については、これを機に減ってほしいと思っていた。


 そうすれば、少なくとも今よりは仲が改善するかもしれない。


 お父様も継母とわたしが打ち解けていることを願っている。


 お父様はわたしのことも好きだけれど、継母を愛している。


 その継母を愛するお父様の為にも、継母との仲を改善したいとは思っていた。


 今までの継母にはそういう気持ちが全くなかったわけだし、リディテーヌの方にもそれは全くなかったので、今まではずっと対立をしてきた。


 今日は継母とわたしの関係改善への第一歩になってくれるのだろうか?


 先程も思ったことではあるけれど、一時的には、関係が悪化したような気はしている。


 それでもオクタヴィノール殿下との仲を深めていけば、「ボードリックス公爵家の名誉」ということで、いずれわたしに対する嫌な感情は少なくなっていくと思っている。


 それに、その頃には、もっとルシャール殿下とオディナティーヌとの関係も深まっていくはず。


 そうすれば。心の余裕がでてくるはずで、わたしに対しる感情は、その意味でも柔らかいものになってくるはず。


 そうすると残った課題は、ボードリックス公爵家の後継ぎのこと。


「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」のゲームでは、お父様がこの世を去った後、継母がボードリックス公爵家の実権を握っていた。


 子供は実子のリディテーヌと、養子のオディナティーヌしかいなかった。


 リディテーヌはルシャール殿下の婚約者ではあったものの、ボードリックス公爵家の当主も兼任はできたので、お父様は、リディテーヌを後継ぎと定めることができた。


 しかし、正式な当主になるのは、結婚式の後だったので、ルシャール殿下ルートの時は、当主になる前に、「婚約破棄」「ボードリックス公爵家追放」「処断」をされることになってしまう。


 デュヴィテール王国の貴族は、実子も養子も後継者になる資格を持っている。


 その家の当主に実子がいない場合、養子を取って家を維持していく。


 実子と養子が両方いた場合、通常は実子の方が後継者として優先される。


 しかし、その家の都合で実子ではなく養子が後継者になることも、数はそれほど多くはないものの存在していた。


 オディナティーヌも養子ではあるものの、ボードリックス公爵家の後継者になる資格を持っていた。


「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」のゲームでは、すべてのルートで、オディナティーヌが攻略対象の男性と結婚をした後、オディナティーヌがボードリックス公爵家当主の地位も継承するというエピソードがある。


 ルシャール殿下ルートではない場合も、継母が実権を握ることには変わりはない。


 どのルートでも、結局は、オディナティーヌがボードリックス公爵家当主の地位も継承する。


 リディテーヌは多くの場合、その際に、継母の意志を受けたオディナティーヌによって、ボードリックス公爵家を追放されることになる。


 オディナティーヌの好感度がある程度以上ある場合のみ、オディナティーヌが継母を説得することによって、追放を避けることはできるものの、その難易度は高い。


 ゲーム同様、継母の権力はこれからどんどん強くなっていく方向だと思われる。


 その為、わたしがゲームにない選択をして、運命を変えようとしている今の時点でも、「オディナティーヌ公爵家追放の可能性」は残っていることになる。


 今から継母が実権を握るのを阻止すべきだろうか?


 それは多分無理なことだろう。


 お父様は、継母を愛しているので、継母の言うことを聞く傾向にある。


「後のことはわたしに任せてください。このボードリックス公爵家はわたしが守ります。その為にも。

 わたしにこのボードリックス公爵家の実権を握らせてください」


 と継母がお父様に依頼すれば、受け入れてしまうと思う。


 わたしがお父様にその危険性を話しても、受け入れることはないだろう。


 継母が実権を握り、オディナティーヌがルシャール殿下と結婚した後、ボードリックス公爵家の当主になる。


 これは避けられないことなのだろう。


 とすればわたしは、オクタヴィノール殿下と仲を深めていくしか生きる方法なないように思える。


 いや……。


 わたしは思い直す。


 オクタヴィノール殿下の関係を打算的に考えてはいけない。


 もう一度、


「オクタヴィノール殿下のことは好きで、推している存在」



 という原点に帰ろう。


 わたしは心の底からオクタヴィノール殿下のことが好きで、愛している。


 この気持ちを一生懸命伝え、オクタヴィノール殿下との仲を深めていく。


 そのことは、すべてに優先されるべきことなのだ!


 わたしは馬車の中で、改めてそう思うのだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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