表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/102

第五十六話 わたしとダンスを踊りたいオクタヴィノール殿下

 オクタヴィノール殿下はわたしへ「お願い」をしようとしている。


 これは、想定外のことだった。


 もしかすると、わたしと交際したいということでは?


 少し恥ずかしそうな口ぶりで話をしていたので、そういうことも考えられなくはない。


 もしそうだったら、うれしくて、ここで踊り出してしまいそうな気がする。


 一気に期待が膨らんできた。


 しかし……。


 一度会ったことがあるとは言っても、名前さえ覚えてもらっていなかったわたしに対して、そんなに急に心が傾くのだろうか?


 少し冷静になってくると、ありえない気がする。


 それに、今までのリディテーヌの噂を聞いている可能性はある。


 今はわたしの名前を聞いた直後。


 もし、噂を聞いていたとしても、すぐには思い出せないのかもしれない。


 しかし、噂を聞いていれば、その内、そのことを思い出し、ここにいるわたしの印象は悪くなる可能性はある。


 そうなれば、交際をしたいという気持ちがあったとしても、その気持ちはすぐにしぼんでしまうに違いない。


 それでもわたしは、オクタヴィノール殿下が、


「わたしはあなたと交際したい」


 と言ってくれることを期待していた。


 わたしは、少し緊張しながら、


「お願いとはなんでございましょうか?」


 とオクタヴィノール殿下に聞く。


「あなたと交際したい」


 という言葉が帰ってくることを信じて。


 すると、オクタヴィノール殿下は、


「リディテーヌさん、わたしと踊ってくださいませんか? わたしはあなたのような素敵な方とダンスを踊りたいのです」


 と言ってきた。


 ダンスを踊る?


 それはどういうことなのだろう?


 わたしは一瞬、何を言われているのかが理解できなかった。


 わたしとしては、想定外の返事が返ってきたからだ。


「わたしと踊るのは嫌でしょうか? だとすれば誘ってしまって申し訳ありません」


 オクタヴィノール殿下は少し申し訳なさそうな表情をする。


 わたしは我に返った。


 交際の申し込みではなかったのは残念。


 期待をしすぎてしまった。


 しかし、ダンスを一緒に踊りたいと言ってきた。


 ルクシブルテール王国の王太子殿下から、ダンスを誘われるということは、貴族令嬢として光栄なことだ。


 そして、これでオクタヴィノール殿下とうまく踊ることができれば、周囲の人たちの評判が良くなってくるだろうし、オクタヴィノール殿下もわたしのことを評価するはず。


 いや、そういうことを考えてはいけない。


 オクタヴィノール殿下は、純粋にわたしと踊りたいと思っているに違いない。


 わたしもその心に応えなければならないと思う。


 そして、もともとダンスは好きなので、オクタヴィノール殿下と踊りたいという気持ちはどんどん高まってきていた。


 しかし、今度は、


「今のわたしは、オクタヴィノール殿下にふさわしい女性なのだろうか?」


 と思いが湧いてくる。


 そしてそれは、オクタヴィノール殿下のような素敵な方と一緒に踊っていいものかどうかという思いにもなってくる。


 わたしは、


「お誘いをしていただくのはうれしいです。しかし、わたしのようなものがお相手でよろしいのでしょうか?」


 と言った。


 すると、オクタヴィノール殿下は、


「わたしとダンスをするのが嫌だと言うわけではないのですね?」


 と言った。


 それに対し、わたしが、


「そんなことはございません。ダンスに誘っていただけるだけでも光栄なことだと思っております。ただ、わたしのようなものが、オクタヴィノール殿下のお相手になってよいものかどうか? 失礼になるのでは? そう思ったのでございます」


 と言うと、オクタヴィノール殿下は驚いたようだった。


 そんなに予想外の返事だったのだろうか?


 そう思っていると、オクタヴィノール殿下は、


「そういうことは思わないでください。あなたは素敵な方です。そのお方とわたしは踊りたいと思っているのです」


 と言った後、やさしく微笑んだ。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ