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第五十四話 オクタヴィノール殿下と会うことができた

 舞踏会の時間は刻々と近づいてくる。


 こうなったら無理やりオクタヴィノール殿下に話しかけにいくべきだろうか?


 でもそんなことをしたら、オクタヴィノール殿下のわたしに対する印象は最悪なものになりかねない。


 後もう少しだけ待つことにしよう。


 そうは思うものの、あせる気持ちは増大してくる。


 わたしはいつまで待てばいいのだろう?


 やはりここはもう、悪い印象を与えてしまうことを覚悟の上で、オクタヴィノール殿下に話しかけるしかないのでは?


 わたしはそう思い、この場所から移動しようと思った時……。


 イケメンで凛々しい姿をした男性が一人でこの部屋に入ってきた。


 チャンスがやってきた!


 わたしの心は一気に沸き立っていく。


 わたしが出発点の人生で好きになり、推していた存在。


 その存在が目の前にいる。


 オクタヴィノール殿下。


 付き添いの人は、別行動をとっているようだ。


 リディテーヌとオディナティーヌの違いはあるものの、「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」のゲームと同じ状況になってきたと思う。


 今までも、出発点の人生では画面を通して姿は見ていた。


 転生一度目も会うことはあったし。この転生二度目でも会ったことはある。


 しかし、ここまで心が動かされるほどの容姿を持った方だとは認識できていなかった。


 画面を通してのオクタヴィノール殿下よりもより一層素敵。


 リディテーヌというキャラクターはオクタヴィノール殿下に興味はなかったので、この素敵なところは理解できなかったようだ。


 でもイケメンだと言う認識はあったようで。転生のことを思い出さなくても、もう一段その素敵なところを認識することができていれば、リディテーヌの人生も違ったものになったかもしれない。


 オクタヴィノール殿下の素敵な容姿によって、あっという間に、わたしの心は沸騰寸前になっていく。


 最初からもちろん好きな方ではあったのだけれど、ますます好きになっていく。


 もしかしたら、わたしの「運命の男性」なのかもしれない……。


 そういう気持ちも沸き立ってきていた。


 わたしは、しばらくの間、心が沸き立ち続け、コントロールすることが難しくなっていた。


 そんなわたしにオクタヴィノール殿下は、


「大丈夫ですか? 具合が悪いように思いますが?」


 とやさしく声をかけてきた。


 オクタヴィノール殿下の言葉。


 これを待っていた。


 しかも声色が良く、やさしい気持ちがこもっている。


 この声を聞いたわたしは、心の沸き立ちは落ち着き始めたのだけれど、今度は甘い気持ちになってきた。


 これだけでも気を失いそうなほどのうれしさだ。


 しかし、オクタヴィノール殿下は、


「ここで休まれていたのでしょうけど、まだ疲れているようだったら、もう少し休んだ方がいいですよ」


 と言って、ますますわたしを甘い気持ちにさせていく。


 このまま今日は、ここで気を失ってもいいくらい……。


 わたしは一瞬そう思った。


 しかし、すぐに思い直し始める。


 今日ここにきたのは、オクタヴィノール殿下と少しでも仲良くなる為。


 ここで気を失ってしまったら、その目的は達成できなくなる。


 そう思ったわたしは、気持ちを切り替え始める。


 甘い気持ちは抑えていくのだけれど、今度は、胸のドキドキが大きくなってくる。


 あこがれの方との会話。


 普段通りというわけにはいかない。


 それでもわたしは進まなくてはならない。


 わたしは、


「お気づかいありがとうございます。オクタヴィノール殿下。でもお少し休みましたので大丈夫です」

 と応えた。


 なんとか普段通りに対応しようとしたのだけれど、オクタヴィノール殿下の目の前なので、いつも落ち着いた声にならない。


 恥ずかしい。


 これでオクタヴィノール殿下に嫌われなければいいんだけど……。


 わたしがそう思っていると、オクタヴィノール殿下は、


「あなたはわたしのことを知っておられるのですね。わたしもあなたとお会したことがあるということは記憶しています」


 と言った。


 オクタヴィノール殿下がわたしと会ったことを覚えていてくださっている!


 希望を持つことのできる言葉だ。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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