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第五十一話 舞踏会へ

 わたしが十八歳になってから迎えた七月。


 この地は、一年を通して適度に雨や雪が降る。


 その中でも雨が多いのは六月と九月。


 十二月から三月までは、雪が降る日が毎月五日程度はある。


 今年も六月は雨の日が多かった。


 この七月になると天候は安定し、いよいよ夏がやってきていた。


 わたしの出発点だった人生の場所に比べると、蒸し暑さはそこまではない。


 しかし、暑さが決して得意ではないわたしにとっては、少しつらいところ。


 もう少し湿度が下がるといいのだけれど。


 こうして夏を迎えていたわたし。


 明日は、わたしのこの人生の多くの部分を決める王室主催の舞踏会の日だ。


 今は前日の夜。


 わたしはベッドに横たわっていた。


 わたしは、明日、オクタヴィノール殿下とのつながりを作りたい。


 いや、作らなければならない。


 本来、「つらい思いをしてきた少女は、素敵な人に出会い、溺愛されていく」のゲームでは、リディテーヌはオクタヴィノール殿下と関わることはない。


 というのも、リディテーヌは、ルシャール殿下と結びつくことしか想定のされていないキャラクターだからだ。


 これがオディナティーヌであれば、わたしはそのルートをやり込んでいるので、このゲーム世界と現実世界の多少のズレはあったとしても、仲良くなることは比較的な話にはなるけれども、容易だと思う。


 しかし、わたしはリディテーヌだ。


 ゲームでのオディナティーヌでの攻略のようにうまくいくかどうかはわからない。


 なにしろわたしは、今まで「悪役令嬢」的に生きてきた。


 ここのところずっと生まれ変わろうと一生懸命努力をしてきた結果、周囲の評判は良くなってきてはいた。


 とはいうものの、オクタヴィノール殿下にはどのような形で伝わっているかはわからない。


 少なくともオディナティーヌはリディテーヌよりも評判がいいはずだ。


 そういうところからからスタートするオディナティーヌに比べると、依然として大きなハンデがあると言っていい。


 とにかくゲームではないことをわたしは行おうとしている。


 どういう結果になるか、全く予想ができない。


 しかし、わたしはオクタヴィノール殿下と婚約・結婚したいと強く思っている。


 いい結果が出ることを信じるしかない。


 とはいうものの、オクタヴィノール殿下と明日会うことができると思うと、胸のドキドキは高まっていく。


 ゲームでは画面を通してオクタヴィノール殿下と付き合い、婚約、そして、結婚まで行くルートを何回もこなしている。


 転生一度目も会っているし、二度目の今回も既に会ったことはある。


 でもオクタヴィノール殿下の恋人になりたいと言う強い意志で、本人と会うというのは初めてだ。


 初対面から嫌われ、相手にされなかったらどうしょう……。


 その時点でもうわたしの目はない。


 いや、それ以前に、好きな人が既にいたらどうしょう……。


 オクタヴィノール殿下には今の時点で婚約者はいない。


 わたしが今から一生懸命努力すれば、オクタヴィノール殿下の婚約者になることはできると思っている。


 とはいうものの、わたしは今、ゲーム内にはないルートを選択しようとしている。


 オクタヴィノール殿下に好きな人が他にできて、その人が婚約者になる可能性もないとは言えない。


 こうした懸念はどうしてもある。


 しかし、わたしは思い直した。


 今からうまくいかないなどと思っていては、うまくいくものもいかなくなる。


 わたしの持っているオクタヴィノール殿下への熱い想い。


 これを一生懸命伝えることにしよう。


「好き」


 という気持ちを伝えていこう。


 きっと、オクタヴィノール殿下にその想いは通じるはず。


 わたしは希望を持とうとするのだった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


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