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第四十六話 心が沸き立ってくるルクディアさん

 ルクディアさんは、わたしがルシャール殿下の婚約者の座を妹のオディナティーヌに譲ったことに対し、嫌味を言い続ける、


 そして、要所では、わたしのことをあざけるように高笑いをした。


 ここぞとばかりにわたしの心を痛めつけ、つらく苦しい表情になるのを見て、喜びたかったのだと思う。


 もちろん、その後、わたしが反撃をしてくるのも想定しているだろう。


 わたしが反撃をしてくれば、自分の方からさらなる攻撃をして、わたしが立ち直れなくなるぐらいの打撃を与えたいと思っているはずだ。


 そうなれば、ルクディアさんはさらなる喜びを味わうことになる。


 今までのリディテーヌであれば、ルクディアさんの術中にはまったことだろう。


 とはいっても、ルクディアさんに立ち直れないほどの打撃までは与えられないとは思う。


 リディテーヌはもともとそこまで弱い人間でないからだ。


 しかし、つらく苦しい気持ちには、多かれ少なかれどうしてもなってしまうと思う。


 その時点でリディテーヌはルクディアさんに負けたと言っていい。


 今のリディテーヌは、もう今までのリディテーヌではない。


 転生の記憶を思い出し、生まれ変わろうとしている人間だ。


 もうルクディアさんと、ここで言い争いをするような人間ではない。


 わたしはルクディアさんの攻勢を、微笑みでもって対応した。


 すると、最初は高笑いをするほど優勢だったのだけれど、次第にそれはいら立ちに変わるようになり、形勢はだんだん変化し始めていた。


 そして、


「わたしがこんなに嫌味を言っているのに、なぜあなたは平気なの? ずっと微笑み続けているから、腹がどんどん立ってきたの。いい加減、つらくて苦しい表情をしたらどうなの? わたしはあなたの苦しくてみっともない姿を見たくてたまらないのに」


 と言ってきた。


「わたしはルシャール殿下の婚約者候補を譲ったことは事実なのですから、ルクディアさんがそれについてわたしのことをけなそうとなにしようと、それは受け入れるしかないと思っています」


「リディテーヌさん、あなたは変わってしまったのね、全く、今までのあなたはどこへ行ってしまったのかしら? わたしは、わがままで傲慢な態度を取るあなたを、このような言い争いの場で倒すことを目標にしてきましたというのに……」


 自分のことをまた棚に上げて言っている。


「それなら、もうルクディアさんの勝利ということでいいではありませんか。それでこの話についてはもう終わりということで。ルクディアさんも満足でしょう」


「あなたはそれでいいのですか? わたしはあなたをライバルだと思っているんです。そういうあなたが、婚約者候補の座を譲ること自体が信じられないんです。わたしだって、できればルシャール殿下の婚約者になりたかった。でも、既に王室とボードリックス公爵家の間で、かなり前から決まっていたというので、わたししには全く縁のなかった婚約者の座。チャンスさえ与えられることのなかったということが、どれだけ悔しいことは、あなたにはわからないでしょう。でもあなたは、そういう地位を、いとも簡単に捨ててしまう。だからこそ、わたしはあなたに嫌味を言って、あなたに後悔をさせたかった。後悔させて、優越感を味わいたかった。それなのに、あなたは平然としている。わたしは今日、最初の内は、あなたに大きな打撃を与えられると思って、いい気持ちになっていたけど、あなたがそういう態度を取っているから、だんだん悔しくてしようがなくなってきたのよ」


 ルクディアさんは、相当心が沸き立っているようだ。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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