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第四十一話 オクタヴィノール殿下と仲良くなりたい

 わたしが通っているのは、王国が設立した学校。


 この王国では名門だ。


 十二歳から十八歳までの貴族と平民の中から、選抜されたもののみが通うことができる。


 ただし、男子と女子は、全くの別校舎。


 しかも、それぞれの校舎は同じ敷地にはあるとはいうものの、敷地自体が大きいので、少し離れたところにあり、通常の時間帯でお互い行き来をするのは困難。


 もちろん、放課後になれば、婚約者どうしになっていたり、また、恋人どうしとして付き合っていたりすれば、会うことは可能だ。


 しかし、普通はそこまでたどり着けない人たちも多い。


 というのは、婚約者どうしに既になっている人たち以外は、毎日を学校で過ごしている中で、クラスどころか、校舎が別な為、男女が知り合う機会そのものがほとんどないからだ。


 したがって、わたしのような学生の男女が知り合う機会は、学園祭のような学校行事か、王室が主催する舞踏会ぐらいしかない。


 舞踏会については、十六歳から参加資格が与えられる。


 ただ、ダンスはある程度の水準に達していることが求められる。


 その為、十六歳から参加する人は、一定数はいるもの、十七歳になった頃から参加する人たちが増える印象だ。


 十八歳になってから参加をする人たちも多い。


 オクタヴィノール殿下やわたしがその中に含まれる。


 このような状況なので、十六歳になっていなければ、さらに知り合う機会が減る。


 それでも学園祭等の少ないチャンスを生かして、恋人どうしになる人たちは一定数いた。


 ルシャール殿下もこの学校に通っている。


 そして、オクタヴィノール殿下もこの学校に通っている。


 オクタヴィノール殿下は、ルクシブルテール王国の王太子なので、本来は、自分の王国の学校に通うところだ。


 しかし、デュヴィテール王国のこの学校は、近隣諸国の中では一番優れている。


 デュヴィテール王国とルクシブルテール王国の関係は良好なので、優秀なオクタヴィノール殿下は、この学校に通うことになった。


 成績は、ルシャール殿下とオクタヴィノール殿下で、常にトップを争っている。


 二人の仲は良好。


 リディテーヌも成績は良く、入学してからずっと三位。


 しかし、リディテーヌは、ルシャール殿下やオクタヴィノール殿下とは、学園祭の時に少し話をしたぐらい。


 お互い、名前を知っている程度の関係だった。


 ルシャール殿下の婚約者候補ではあったものの、ルシャール殿下とはその程度の関係にとどまっていた。


 もちろん、今の時点でもまだ婚約が決まっていなかったが、王室とボードリックス公爵家での、家どうしの婚約は取り決められていた。


 リディテーヌは、ルシャール殿下の婚約者候補に、正式決定ではないものの、お父様からは、


「お前以外を婚約者候補にすることはない」


 と言われてきたので、他の男性と付き合うと言う選択肢は最初からなかった。


 とはいうものの、この正式決定ではなかったというのがポイントで、リディテーヌは今の時点では一度も正式にルシャール殿下の謁見を受けたことはない。


 プライベートでも、話をしたのは学園際の時ぐらい。


 リディテーヌについて、


「わがままで傲慢な態度を取る」


 という話がルシャール殿下の耳に入っていたかどうかはわからない。


 しかし、それ以前に、ルシャール殿下としては、正式に婚約が決まっているわけでもない女性に対する興味は薄かったのだと思う。


 ルシャール殿下とは、こうしてほとんど話すこともないまま推移した。


 そして結局、わたしリディテーヌは、ルシャール殿下の婚約者候補、そして、婚約者の座をオディナティーヌに譲ることになった。


 わたしが転生のことを十二歳ぐらいで思い出していれば、その時点で婚約者の座をオディナティーヌに譲り、学園祭等でオクタヴィノール殿下とお近づきになっていれば、今ごろは相思相愛になり、恋人どうしになっていたかもしれない。


 十二歳の時点では、まだリディテーヌは、「悪役令嬢」的存在ではなく、多少「わがままなお嬢様」的なところがある存在だったので、オクタヴィノール殿下も受け入れやすかったと思う。


 そう思うと、残念さが心の中を占有してくる。


 オクタヴィノール殿下とはまだ友達と言える段階にすら遠い。


 リディテーヌは今の時点で既に「悪役令嬢」的存在になりつつある。


 オクタヴィノール殿下の耳にもそれなりに噂は入ってきているかもしれない。


 今は友達でもなんでもないので、気にしていないと思う。


 しかし、オクタヴィノール殿下と親しくなろうと思うのであれば、その意味でもわたしの評判を良くしていく必要がある。


 それにはわたしが心の底から生まれ変わらなければいけない。


 わたしは学校へ向かう馬車の中で、そう強く思うのだった。


「面白い」


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