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第十八話 わたしを避け始める幼馴染

 クリスマスイブが近づいてきた。


 わたしは、この日、ロマンチックな夜を冬伸ちゃんと過ごしたいと思っていた。


 十一月中旬までのわたしたちであれば、その願いはかなうと思っていた。


 告白は、わたしの方が先だったのだけれど、その後は冬伸ちゃんの方が積極的だった。


 毎日、わたしに対して、直接またはルインで、


「俺はりくらちゃんが好きだ。愛している」


 と自分の気持ちを伝えてくれていた。


 わたしも冬伸ちゃんにその熱い気持ちを伝えていたのだけれど、冬伸ちゃんの熱い気持ちは、そのはるかに上を行っていた。


 そして、冬伸ちゃんとキスをし、二人だけの世界に入っていくたびに、幸せな気持ちになっていた。


 しかし……。


 最近、冬伸ちゃんは、わたしを避け始めていた。


 冬伸ちゃんと初めてデートをして以来、テスト期間中以外は、毎週休日になるとデートをしていたわたしたちだったのだけれど、十一月中旬の休日にしたのが今のところ最後になっている。


 そのデートの時も、それまでのように楽しんだ。


 そして、冬伸ちゃんの両親は、わたしたちに配慮をして出かけてくれていていなかったので、わたしたちはキスをして、二人だけの世界に入ることができた。


 こうしてわたしはますます二人の仲は深まっていたように思っていた。


 そのデートをした翌週も、わたしたちは「愛の言葉」を語り合っていたので、わたしとしては、また次のデートで冬伸ちゃんと仲を深めていきたいと思っていたのだった。


 ところが、


「毎週デートをするのも大変だろうから、これからデートは月一回にしよう」


 と冬伸ちゃんが提案してきたのだ。


 冬伸ちゃんは、わたしにどんどん心を傾けてきているように思えたので、


「わたしと月一回しかデートをしなくても大丈夫?」


 と聞いたのだけれど、冬伸ちゃんは、


「これは、りくらちゃんのことを思って言っている。俺はりくらちゃんの為に、少し我慢をしなければならないと思っているんだ」


 と微笑みながら言った。


 わたしのことを思って言ってくれているのであれば、わたしの方も我慢しなければいけないだろうと思った。


 わたしはこの時、冬伸ちゃんの心がわたしから離れ始めていることに気がつかなかった。


 気づいていても、どうにもならなかったのかもしれないけど……。


 このやり取りをして以降も、「愛の言葉」のやり取りは続いた。


 しかし、以前と違い、わたしへの愛情が薄れ始めている気はどうしてもしていた。


 それは、自分の思い込みに過ぎないことだと、一生懸命思ってはいた。


 でも、冬伸ちゃんが自分のところから離れ始めているという気持ちは次第に強くなってきていて、その気持ちを抑えることはだんだんできなくなっていた。




 そして、クリスマスイブ前の休日。


 わたしは冬伸ちゃんに誘われ、冬伸ちゃんの家にいた。


 今日も冬伸ちゃんの両親は出かけている。


 普通ならデートの帰り道に寄るのだけれど。今日は、最初から冬伸ちゃんの家にいる。


 わたしは、冬伸ちゃんに昨日、誘われた時から、心が落ち着かなかった。


 もしかしたら別れ話では?


 そういう気持ちが心の中にあった。


 この一か月近くの冬伸ちゃんのわたしに対する態度からするとありえない話ではない。


 もしそうだとすれば、今日はいかない方がいいかも。

 そこまで思ったりもしたが、


「冬伸ちゃんとまた一緒に過ごすことができる」


 という想いの方がはるかに上回っていた。


 わたしは冬伸ちゃんのことがそれだけ好きなのだ。


 冬伸ちゃんの心がわたしから離れ始めているのであれば、もう一度、心をわたしの方に向けてもらえばいいと思っていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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