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第百一話 継母と義理の妹との関係の改善

 わたしとオクタヴィノール殿下の婚約式の方は、形式的な位置づけであったのと、ボードリックス公爵家の王都の屋敷からルクシブルテール王国の王宮までは遠い為、ボードリックス公爵家からの出席者は最小限にすることになった。


 お父様は、結婚式の方は出席することにしていた。


 しかし、この時は、体の状態も考慮して欠席することになり、その代理として執事が出席することになった。


 継母とオディナティーヌも出席者の中には入らなかった。


 しかし、オディナティーヌは、わたしが婚約式に行く前、


「お姉さま、オクタヴィノール殿下との正式な婚約、心よりお喜び申し上げます」


 と言って微笑んでくれた。


 オディナティーヌは、わたしに懐くというところまではいかなかった。


 オディナティーヌとわたしは、義理の姉妹なので、オディナティーヌとしては接し方が難しいところはあったと思う。


 残念に思う気持ちはある。


 しかし、わたしを避けるということはなくなった。


 わたしに対して、こうしたやさしい言葉をかけられるようになっている。


 ルシャール殿下は、ゲームのルシャール殿下ルートでは、わたしを「処断」した人物。


 しかし、もともとは、心やさしい人柄。


 ルシャール殿下と婚約してから、オディナティーヌはルシャール殿下の影響を受けて、いい方向に変化していた。


 そして、今日は、結婚式にも出席してくれていた。


 ありがたいことだし、うれしいことだ。


 継母は、わたしがこの王宮を初めて訪れる直前に、わたしは一度屈服させていた。


 そして、オクタヴィノール殿下とわたしとの婚約が両家において認められた後、もう一度屈服させたことで、わたしには何も言えなくなっていった。


 しばらくの間は、わたしに嫌味を言うのを我慢しているような表情をすることが多かった。


 しかし、わたしが気品を持ちながら、継母にやさしく接するように努力を続けたこと。


 ルシャール殿下とオディナティーヌの仲は良好で。結婚に向かって着実に進んでいること。


 そして、わたしがオディナティーヌに次期の当主の座を譲ったこと。


 継母は、こうしたことで心が安定してきた。


 そして、次第に、わたしの前でも普通の表情をするようになった。


 継母との関係は、転生の記憶を思い出す前から、生きていく上において大切なことだったので、その関係が良好とまでは言えなくても、普通の状態に改善されてきたのは、良いことだと思う。


 今回の結婚式も、夫であるお父様と旅行できるという意味も強いようだけれど、わたしの結婚も祝ってくれる気持ちはあるようで、今までのこと思うと大きな変化だ。


 わたしとしてもうれしい。


 お父様は、継母とわたしの仲が悪いことをずっと心を痛めていた。


 お父様は、継母のことも愛しているし、わたしのことも愛している。


 つらく苦しかっただろうと思う。


 わたしたちの関係が改善されたので、お父様は誰よりも喜んでいた。


 わたしとしても、親孝行ができたと思う。


 ゲームでは、前々年の四月にこの世を去ってしまったお父様。


 しかし、お父様は、体の調子はそれほど良くはないのだけれど、こうして今も生きている。


 わたしにとって、その存在がどれだけ力になったことだろう。


 そして、今日は、オクタヴィノール殿下とわたしの結婚式に出席してくれている。


 ありがたいことだ。


 わたしにもわからないところは多いものの、わたしが転生の記憶を思い出し、生まれ変わることを決意して努力をした結果、お父様の運命も変わった可能性があると思う。


 お父様には、これからも長生きをしてほしいと思っていた。


 わたしは、こうしてお父様にウエディングドレス姿を見せることができて、涙が出るほどのうれしさを味わっていた。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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