試験プロジェクト 9
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私達は新しい作戦に切り替えることにした。
作戦名は「あかりと守をくっつけちゃうぜ作戦」だ。名前がダサいと言われ、解せぬところではあるが、このまま突き進む所存である。
作戦内容はその名の通り、おそらく両思いであろうあかりと守を婚約者にするのだ。タケルと麗奈には馬鹿同士そのままくっついてもらう? 大変平和な解決方法だ。
ここでの障害は二つ。あかりのとタケルの婚約の解消方法、そして身分差のある守との婚約の仕方である。
あかりとタケルの婚約解消については要相談だが、守との婚約に関しては、守が家の婿に入ることで解決するかもしれないとあかりから聞いた。
なお、あかりはこの作戦については大変乗り気だった。
この話をするや否や、「ありがとうありがとう」と何度も感謝を述べ、嬉しそうにしていた。よほど理想的だったらしい。
この作戦に切り替えて本当に良かったと、後輩共々つくづく実感した。
まず私達はあかりとタケルの婚約を解消する方法を検討する。
「エミリーさんはどうしたいです?」
ジルがチラリと私の様子を伺った。
「うーん、私としては……」
平和的解決と言いかけて、一度黙った。
正直なところ、タケルと麗奈が気に食わないのでギャフンと言わせたい気もする。だが……
一瞬こちらの案も言うのを躊躇った。だって先輩らしくないかもしれない。しかし、同時にこの前の後輩達とのやり取りを思い出した。そういえば、私の意見を素直に述べても問題無い言ってたな。ダメだったらダメって言いそうだし。
そんなことを思いながら、私は口を開いた。
「ざまぁ展開にしたい。麗奈とタケルをこてんぱんにしてね」
すると、後輩達はすぐに食いついた。
「エミリーさん、分かってるぅ!」
「賛成ですね」
「素晴らしいです」
「すごく腹が立ってたので、やり返したいと思ってたんすよねぇ。麗奈達をギャフンと言わせましょう!」とジルが意気込む。
クレイも続けた。
「因果応報です。タケルに目に物を見せてやりましょう」
ミラはヘドバンをするように頷いていた。
さすが私の後輩達、こういう話は直ぐに意見が一致したようだ。心配して損した気分である。
にしても、皆心持ち悪い顔をしているような……
さぞ麗奈とタケルに苛立っていたのだろう。悪巧みする表情は悪役そのものである。悪役局の職員らしいっちゃらしいんだけど。かくいう私も「ほどほどにね」と口では言っているが、やる気満々なのだった。
◇◇◇◇◇◇
「良いですか、あかり様。打ち合わせ通りお願いしますよ」
「ええ。が、頑張るわ」
作戦当日、私達は麗奈の商店の近くで待機していた。
麗奈とタケルの帰りを待っているのである。
変装した後輩達3人は別の持ち場へ既に移動済み。
残った私とあかりでペアとなる。
ちなみに今回の私は西洋風の清楚なドレスを着ている。偶然出会った異国の留学生の少女を演じるのだ。
今回の作戦は、異国の少女とその少女を街へ案内するあかりが、デート中のタケルと麗奈にバッタリ出くわしてしまうところから始まる。
しばらく待機していると、デート中のタケルと麗奈がやってきた。私とあかりはバレないようにウィンドーショッピングをしつつ尾行を開始。
2人は私達に気付く様子も無く、前を歩いて行く。いくらか歩いた後、中心街までやってきた。
ここで私はおもむろに後輩達に指示を出した。
「目標、到着。やっちゃって」




