表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

90/98

試験プロジェクト 3


「それは、ちやほやされたいだけです」

 ジルがお菓子を口にくわえながら答えた。


「ほお?」

 私は同じくお菓子をつまみつつ、耳を傾ける。


「いじめられている私可哀想でしょ? か弱い私、可愛いでしょ? さあ、皆私を優しく扱ってね。っていうやつです」

「なにそれ、めんどくさいタイプじゃん」

「まさに。しかもそのために自作自演してるみたいでして」

「被害者面して、実は加害者でしたって奴」

「そうそう、いい感じにあかりさんが気弱そうで、相手の男性も気に入ったから、『良いカモ見つけた~』ってノリでやってるみたいっす」

「うわ、最低」


 モグモグとお菓子をむさぼりつつ、私は手元のメモに今のジルとの会話を記録していった。

 今、私が何をしているかというと、後輩の見回り兼情報収集だ。


 麗奈の情報を得るため、麗奈担当のジルの所に向かうと、ジルは屋根の上で絶賛張り込み調査中だった。

 ただ、その光景は奇妙なもので、片手は菓子袋を漁り、もう片手は記録媒体の操作と大変器用な構図である。ちゃんとやれと怒りたい衝動に駆られたが、今回は見逃すことにした。性格に難はあるものの、ジルは仕事をきっちりとするタイプだと知っているため、そのまま麗奈の情報を聞いてみることにしたのだ。


 ふと、なんで麗奈があかりをいじめるのかという話を振ると、ジルから興味深い返事が返ってきたのが今の会話である。


「大体、ずっと監視しているんですけど、あの人マジで性格悪いっすよ」

「そんなに?」

「なんか、見てて腹立ってきますもん。やり方が卑怯なんすよねぇ。絶対今の流れおかしいだろってやつばっかです」


「ジルが卑怯って思うくらいには、麗奈はタチが悪いと」

「なんすかそれ、私が性格悪いみたいじゃないっすか」

「おっと口が滑ったようだ」

「酷い先輩だー。傷ついたー。後輩泣いちゃうー」

「絶対泣かない癖に」


「ちぇっ。バレましたか。……泣くで思い出しましたけど、あの麗奈って奴、巧みにタケルの前で泣きますね。この前も何も無かったのにタケル見ただけで泣いて近寄ってましたもん」

「重症だね。証拠集めるのは簡単かもしれないけど」


「お、なんて言ってたら面白い展開が……」

 ジルが私の後ろをちらりと見て言った。


 直後、別の方向から違う声が聞こえてきた。


「何が面白いだ。私は非常に辟易するよ」


 振り向くとクレイが立っていた。クレイは私とジルの間に座ると眼鏡をクイッと上げてこう言った。

「私はあのタケルという男がとんだ腑抜けにしか思えない」

 とても機嫌が悪そうだ。

「クレイ。どうしたの?」

「もう、タケルは見ていて癪に触ります」


 それを聞いて、ジルが「分かるぅー」と呟くのが聞こえた。クレイの方も思うところがあったらしい。


「ていうか、あなた持ち場はどうしたの? まさか嫌になって投げ出した?!」

 私が思い出したように問うと、クレイは苦笑して一箇所を指差した。

「ああ、それなら問題ありませんよ」

 指差した方向に視線を向けると、向こうから歩いてくるタケルの姿が。

「どうやら、今日は会う約束をしていたようです」


 ……納得した。

「ほう、それは見逃せまい」



 状況を説明すると、現在、私達はタケルの邸宅に向かって歩く麗奈を監視している。敷地近くを歩く麗奈をジルが監視。クレイは、そろそろ麗奈が到着するだろうと見越して門に向かうタケルを発見し、私達と合流した。といったところだ。


「エミリーさーん、対象の合流経路を確認しましたぁー」

「必然的に私達も合流してしまいましたね、先輩」

 私はため息をつきつつ、少し笑みを浮かべて頷いた。


「ほんとね。では2人は引き続き監視をお願い」

「「はい」」


◇◇


「うわっ! 最悪!」


 しばらくして、現場を観察していたジルが声を上げた。


「どうしたの?! ジル」

「ヤバイっす。これはヤバイ展開になりそうっすよ」


 ヤバイ……とは?


 そう思った矢先だった。私の顔面に衝撃が走り、急に視界が真っ暗になった。

「?!」


 突然のことでパニックになっていると、何やら顔面の辺りで聞こえてきた。

「エミリー! お主本当に余計な仕事ばかり頼みおってからに!! 優しい我は身を粉にして事態を報告しにきてやった!!」


 この声は、リンデンである。どうやら、凄い勢いでリンデンが顔面に張り付いたらしい。

 リンデンを引き剥がすと、私はやっと視界を手に入れた。


「どうしたのリンちゃん」

 大変可愛いけど可愛いと言えば怒られそうな険悪な顔をしたリンデンがいる。


「どうしたも何も、お主が我にあかりの監視を命じたのだろう!」

「そうでしたそうでした」

「このたわけが! 我は大事な報告に来たのだ」

「と、言いますと……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ