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私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
派閥と陰謀

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閉鎖された空間


 この世界に生命反応は無く、ただうっすら金色に光る空間が続いていた。少し眩しく感じながらも扉から出て振り返ると、先程の扉と同じ物が佇んでいる。

 はじまりの扉を越えたようだ。


 ふと、視界の端に別の光の塊が見えた。はじまりの扉の左端が欠けて、横にごろりと転がっているようにも見える。恐らく、これが001とクロニゲートを繋げている分離の扉だろう。


ーーなんて雑な置き方……


 タロウが分離された扉に対して、慎重になにかを施す。すると、中に入れるようになった。手を出し入れしてタロウが呟く。


「本体の扉にはガードはされてないようだな」


 ここで、タロウは私に職員用の扉を召喚するよう言う。私は言われるままに扉を召喚。


ーー召喚された扉は私が孤立した時と同様、黒い板があり通り抜けできないままだ。


「ふむ、どうやら本体の扉ではなく職員用の接続の扉にだけガードをつけたらしいな。なんて小賢しい」


 タロウの見立てによると、職員用の接続の扉だけガードをつけており、本体の扉を使えば一応行き来は可能らしい。ウルフ派関係者はこの本物の扉を使用して往復できるようにしているのだろう。一般職員だけを孤立させる見事な技である。


 しかし、クロニゲートが閉鎖されているため、本体の扉が使用された所でクロニゲートから出られないのは確かだが……

 恐らく今クロニゲートの中や各世界にいる者は使い捨ての駒達なのだろう。冷酷なウルフ派のしそうなことだ。


「考えれば考えるほど、ウルフ派への怒りでお茶が沸かせそうです」

「どんな体温してんだよ」


 サラッと突っ込まれた。


 でもさっきからやや目つきが鋭くなってるので、タロウも似たような心境だろう。


 とりあえずは、クロニゲートの現状を見なければ解決の糸口が掴めない。

 クロニゲートに行くため、タロウに続くように私はこの分離の扉に入り込んだ。



 扉を抜けると……全く違う世界に来ていた。恐らく、空間の移動は成功したらしい。


「ここは……どこでしょう」


 イチロウの説明の通りに進めた限りでは、ここがクロニゲートに当たるようだが……そうは思えない。この空間には虹色に輝く扉が無く、全体的に暗い。


 壁沿いに扉であっただろう黒い塊が並んでいることから……ここはクロニゲートだというのが、ギリギリ把握できた。美しかった空間は、黒くなった扉に薄明かりが付いた不気味な空間へと変化してしまっていた。


「なんてひどいことを……」


 美しい光景しか知らなかったので、今のような状態に対して深く憤りを感じた。


「これは、早急に対応する必要がありそうだな」

 タロウも同じくショックを受けているようだ。


 近くにあった扉に少し触れてみる。黒い膜に覆われ動く気配もない。

「本体の扉の上に覆うように、黒いガードがかかっていますね」


 タロウが何か試し始める。そして、しばらく調べた後こう呟いた。


「これは、鍵を掛けたようだな」

「鍵……ですか?」

「本来は関係職員しか持っていない鍵を使って扉を開錠するんだ。しかし、俺が今鍵で開錠を何回試してもこのガードは微動だにしない」


 タロウが扉に何か施していたのは、どうやら鍵での開錠作業だったらしい。


「別の鍵がかかっている状況なのでしょうか」

「ああ、接続の扉との連携部分に新しい鍵が設置されているらしい」

「では、鍵が無ければ開きませんね」

「しかしだ。逆に、鍵を探せば開く可能性があるということだ」

「でも鍵って……私見たことないんですがどんな感じなんでしょう」

「何を言っている、世界間の扉の鍵は宝石の形をしているのを忘れたのか?」


 タロウが手に持っていた鍵を見せる。宝石のような形のそれを見て、宝石祭りの時に見た光景を思い出した。確かに鍵は宝石の形をしていた。では、宝石を探す必要があるのか。


 宝石……宝石ぽいものを探す……


 と、ここで私はふと思い出した。ポケットに手を突っ込んでみると確かに感触がある。ずっと持ってきてたらしい。


「もしかして、この鍵って……こんなのですか?」


 自分が孤立した際に偶然取り出した宝石を、恐る恐るタロウに見せる。

「これはなんだ?」

「孤立した世界側から黒い板を叩くと、こんな宝石が出てきたんです」


 タロウは自分の持つ鍵と幾ばくか見比べると、少し首を傾げつつ扉を指差した。


「形は鍵と似ているな。少し当ててみろ」


 私が宝石を黒い板に近付けると、宝石を受け入れるかのように溝が現れた。そっと押し当てると、形がぴったりと当てはまる。


 もしやと思いクルリと回してみると、なんと扉の黒い膜が割れ落ちるように消えていった。


 ーー目の前には虹色の光を取り戻した扉の姿が。


「……やった! やりましたよ!」


 私が思わず振り向くと、元に戻った扉を見てタロウが口をあんぐりと開けてみていた。そんな上手い話があっていいものかと目が語っている。

 

 ーー私が得た黒い宝石。これは黒い板と化した扉の合鍵だったらしい。


 取り急ぎ何箇所かの扉を黒い宝石型の鍵で開けていった。すると、孤立していただろう職員が出てきた。やはり、これは鍵だったのだ。


 何人か職員を救出したところで、黒い板を世界側から叩いて合鍵が作れることをシェアし、皆で手分けして扉を解放して回る。次々と解放される扉と職員達でクロニゲートは人が溢れ始めた。


 ーーそして、ついにクロニゲートの空間自体の入り口も、開錠に成功。


 クロニゲートの入り口には閉鎖魔法がかけられ、それを維持する者が待機していたらしい。私達の存在に気付いて攻撃してきたが、タロウが難なく取り押さえた。さすが元大臣の息子だ。なんでもありかよ。


 閉鎖魔法を維持できなくなったらしく、クロニゲートは解放されたのだった。


次週配信で、一旦区切りとなる予定です。



(活動報告にてこのお話について触れてみました。良かったらご覧ください。)

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