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私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
派閥と陰謀

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はじまりの世界

 イーグリアが魔法省に案内された後、私とタロウが部屋に残った。


「今真実を知る者は俺達くらいだろう。なんせ、サンダウルフ本人の言葉をあの場で見聞きしたのは俺達しかいない」

「そうですね、恐らくゼロバンの職員の大半がサンダウルフの声明の影響で、真実が見えていないと思われます」

「と、なると俺達で動くしかないか。……君を危険な目に巻き込みたくはないが……」


 ちらりとこちらを心配そうに見るタロウに対して、私は考えていることが分かった。このままではタロウ一人で動きそうだ。


「何を言うのですか! 私も動きます。っていうか動かせてください。私も巻き込まれた1人なんです。ぎゃふんと言わせたいです!」

「ぎゃふん……っか」


 少しツボに入ったのか、ふふっとタロウは笑うと、私に手を差し出した。


「いいだろう。一緒に来てくれるか?」


「はい、喜んで!」

 私は差し出された手をしっかりと握った。


◇◇◇◇◇◇


「まずは、職員の救出のため、本体の扉を正常に戻す必要があるのだが……何か策はないだろうか」

「そもそも、扉はどうやって黒くなっているのでしょうか」


 私の質問に対して、タロウは少し考える素振りをするとこう答えた。


「そこも不明だな。ウルフ派は独自に扉にガードを取り付けているらしい」


 どういう仕組みかは知らないが、ウルフ派はクロニゲートの各扉に対して黒い板で覆いをする方法を編み出したらしい。恐らく、サンダウルフの下、各部署に配置されているウルフ派の人員が秘密裏に動いていたのだろう。


 今回大規模な封鎖が成功したのであれば、相当な下準備がなされていたのだろうと思われる。ここまで大規模な問題ならば、事前に察することも出来ただろうが、詳細を掴めなかった。詮索を怠ったイーグル派の落ち度でもあるが、一方でここまで隠しとおせたウルフ派にはやや脱帽ではある。


 ここで、私は黒い板のことを出来る限り思い出す。

 

 そう言えば、私が初めて世界に孤立した時、黒い膜がかかっていたことを思い出した。初めは黒い膜で、次に孤立した時は黒い板だった。初期はまだ試用段階で、実験的に膜の状態で出現したのだろう。確実に進化している。


 そして、私が偶然実験の存在を知ってしまったのだろう。新人で扱いやすい存在のため、口封じの対象になったのだと今なら仮説が出せる。私が目をつけられたのは、そんなことの理由だったのだ。


 ーーん? もしや、私を使って実験をしたか? 


 そんな考えも出てきた。人が孤立可能かなども実験してたのかもしれない。さすが冷酷な集団。


 ーーいやさすがではないな。いい迷惑である。


 ふつふつと怒りが込み上げてきた。


 どちらにせよ、扉に張られた黒い板を消し、早急に孤立している人々を助けなければならない状況なのは確かだ。

 自分の怒りよりも優先させるものを思い出して、一度冷静になる。


「ちなみに、クロニゲート自体にも入れないのでしょうか?」

「ああ、奴ら用意周到でな。空間自体を閉鎖したらしく入れないんだ」


 タロウ曰く、クロニゲートに入れないために、原因の追求もままならないらしい。なんて奴らだ。


「それなら……外から入れないとなると、内から入ればいいではないか」

 私達の会話を聞いていたイチロウが、横から提案をしてきた。突然の助け舟にびっくりしつつ聞き返す。

「内側からですか?」


「さっきの話を聞いていたか? はじまりの扉経由で行けばいいのだ」

「でも、隠されているのではないですか?」

「ついてきなさい」


 イチロウはニヤリと悪そうな顔をして、私達を手招きした。


ーーそうか、隠している張本人ここにいたわ。


 悪巧みして楽しそうにする感じが、タロウと似ている。本当に親子だなぁなんて思ったが余計な口出しはすまい。



 私達はイチロウの案内で、はじまりの扉が隠されている場所まで行くことになった。



 首相関連の建物の近くに目立たない小さな扉が現れる。一見工事用の扉に見えるが、中に入ると洞窟のようになった空間に出てきた。

 薄暗い空間を歩き進めると、激しい光を発する場所が前方に見えてくる。


「着いたよ」


 イチロウが案内してくれた場所には、大きな光り輝く宝石の塊が現れた。これがはじまりの扉らしい。

 クロニゲートで見る扉と似ているが、サイズは比べ物にならないほど大きかった。


「これが……はじまりの扉ですか?」

「ああ。紛れもなく本物だ」


 あまりの大きさと光で、もはや神々しくある。この神々しさが本物である証拠とも言えよう。


「この扉を使えばはじまりの世界である世界番号001に行ける。あとは、001側からクロニゲートに繋げている分離の扉でクロニゲートに入るんだ。そうすればクロニゲート自体には行けるはずだ。本体の扉の通過方法はタロウが知っているね」

「ああ」


 私達一般職員は基本的に各部署に接続された扉しか使わないため、本体の扉の通過方法は知らない。タロウは部署の関係上、知っているとのこと。タロウに引っ付いていけば問題ないと思われるので、私はついて行くことにする。タロウ様々だ。


 ーー光り輝く扉の中に恐る恐る入ると……説明の通りはじまりの世界である001の世界へと接続されていた。


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