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私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
対社長令嬢 案件

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令嬢第八事例 報告3


◇◇◇◇◇◇


「セリカ様、一旦部屋に戻ってきましたが……先程は危機一髪でしたね」

「わたくしが、浅慮で申し訳ありませんでしたわ」

「いいえ、結果何とかなりましたから。あの……それよりもアイラ様、いえ、アイラについて詳細をお話しいただきたいのですが?」


「……私の説明不足ですものね。詳しくお話しましょう」


 セリカが説明し始めた。

 アイラはアンドロイド、つまり人型のロボットである。初対面の際に私が違和感を感じたのは音声や動作の不自然さ。……それは、不気味の谷と言われる、自然な人間らしさが欠けたことによる違和感だったらしい。これらはアンドロイドと知れば、全て納得がいった。


 このただのアンドロイドであるアイラが、何故セリカを困らせているのか、それは全てジュンの行動に原因があった。


 機械好きのジュンは最新のリアルな人型に惹かれたが故に、アイラの購入に至ったらしい。ただ、購入の動機自体には問題なかったのだが、なんと購入後の設定で選択のミスとしか言えないことをした。

 それは、モード設定だ。


 この手のアンドロイドは警備モードや料理人モードなど様々なタイプがある。そんな中、ジュンはあろうことか自分好みになるように、恋人モードを設定してしまったのだ。

 最初は友達に恋人モードを勧められて、好奇心だけで設定し、すぐに変更する予定だったとのこと。


 しかし、このアイラはとても優秀で、話し方から仕草に至るまで自動的に購入者の好みのデータが蓄積されていく仕組みらしく、最終的には本当に理想のタイプの女性像を作り上げてしまったらしい。

 これには恋愛に興味がなかったジュンも、機械精度の感動以上に好意を抱くようにまでなってしまう。


 さらに都合の悪いことに、アイラの恋人モードに関する初期データには、作成元により様々な恋愛物語も参考にデータとして読み込ませされていることが発覚した。このことでセリカに弊害が出始めることとなる。


 ーーなんと、悪役令嬢ポジションをアイラが設定し始めたのだ。


 ジュンはか弱い女性に弱いとアイラは認識したらしい。この手の男性の場合、一番効率よく好感度を上げる方法は自分をか弱く見せる手法だとアイラは判断した。

 ジュンが助けたくなる衝動に駆らせるために、参考データとして登録していた物語を引用。あえて悪役令嬢ポジションの女性を設定し、その女性にいじめられているかのような演技を行うことで、好感度上昇に繋ぐ作戦に至ったようだ。


 そして、今回はその悪役令嬢ポジションとしてセリカがターゲットにされてしまったのである。


 以降、アイラはセリカを事あるごとに悪役に仕立て上げていく。セリカとしてははた迷惑な話であるが、アンドロイドだからと初めは甘く見ていた。しかし、状況は日々刻刻と悪化していった。


 なんと、ジュンはアイラの作戦に見事に引っ掛かり始めたのだ。次第にアイラの話と現実との判断がつかなくなってくる。


 セリカが何度か目を覚まさせようと注意をしたものの、効果は無い様子で、「たかが、人工知能の判断だ。気にするな」なんて言いつつ、アイラが被害者面をしている時はしっかりと援護しているのだ。


 ーー結果、ジュンは今ではアイラにご執心となってしまった。


 ついに堪忍袋の緒が切れたセリカ。これでは本当に悪役にされてしまう。それに、今後の人生に大きな影響を与えてしまう恐れがあると判断した。


 というのも、この世界での結婚概念では問題があるのだ。この世界では、なんと人型のロボットに限り結婚が許されている。一般の者であれば問題はなかっただろうが、ジュンの立場であるとそうはいかない。企業の知名度も相まって、相当な注目を浴びるのは間違いないからだ。

 そして、この場合セリカは同情ではく嘲笑の的になることが確定する。ロボットに負けたということで、今までのような生活が保障されなくなる可能性も出てくるのだ。


 セリカはどうにかジュンの目を覚まさせなければならないと対策に打って出た。


 まずは、アイラを廃棄しようと試みたそうだ。しかし、周りの反応は冷たいものだった。「たかがロボットに対してそこまで熱を上げて怒らなくても」といった所だろう。取り上げることも困難を極めた。

 しかも、取り上げようと接触したり注意をすると、必ずと言っていいほどアイラが邪魔をしてくる。


「これは大変ですね……」

「ええ、あの方の好みをすべて分析、蓄積しているロボットだからこそできるのですよ。でも、そんな説明をしたところで誰が私の味方になるでしょうか? 私がロボットに負けたとなると、それを面白がる人しかいません」

「世間の好奇の目にさらされるだけですね……」

「ですので、どうすればジュンがアイラを諦めてくれるものかと思ったのです」


「……ちなみに、この世界の機械のプロに意見を聞いたりはしましたか?」

「販売元に問い合わせたりしたのですが、取り扱ってくれなくて……」


 自社に不利になることを恐れているか、優良顧客である会社が背後にあるジュン自身の印象を下げたくないということもあるのだろう。


 うーーん、餅は餅屋に聞けというが、この世界での作成側が対応できないとなるとどうしたものか。

 ここで、私はふと思いだした。そういえば、アイラのデータに潜り込んで私の情報を上書きしてくれた団体がいた。確か科学に特化したチーム……うちの世界の科学部隊なら何かヒントを得られるかもしれない。 


 私は藁をもすがる思いで早速ゼロバンに戻り、ヒントを探ることにした。

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