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私、悪役令嬢おたすけ課 ~魔法少女は公務員です?!~  作者: ビオラン
対部族令嬢 文化省・異世界統制省合同案件

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二大派閥の存在

 魔法省に帰ると、課長が出迎えてくれた。背後には深刻な顔で私の帰りを待っていただろうタロウがいる。


「エミリー、只今帰還しました!」

「ご苦労だった」


 私が帰還を伝えると、課長はいつも通りの報告の処理をしようとした。

 しかし、その手をタロウが何故か止める。そして課長にこう聞いた。

「ミシェル課長、報告処理の前に一度確認をしたいのですが、この報告内容を一部変更、もしくは削除することは可能でしょうか?」


 え、報告内容を変更するとは? 私が驚いていると、課長が横で即首を横に振った。


「内容変更……それは文書の改竄に当たるため、受け付けられない」

「やはりそうですよね……馬鹿げたことをぬかしました」


 タロウは知っていたとばかり、ため息をついた。そんな様子のタロウに課長が問う。


「なんだ、今回の結果は上に報告してはならないような内容なのか?」

「……正式には、今後調査が入った際に証拠隠滅に使用される恐れがあるので、前もって該当しそうな個所を消したいと考えています」


 タロウが神妙な面持ちで伝えると、話し方から何かを察した課長。


「ふむ、君の様子から察するに……大方あのことか。そうだな……今回の報告内容が他の手に渡るのを阻止できるかもしれない方法はあるにはある」

「それは……?」

「機密資料として、悪役救済部の中で管理し、正式な依頼が無い場合許可無しでは閲覧できないようにするのだ」

「なるほど、容易に内容確認できない上に、こちらも証拠として手元に残すことが出来ますね。あいつの為にも是非そうして下さい。」

「では、今回は課長判断として上に伝えておくのでその対応にしておこう」


 勝手に話を進める課長とタロウ。私の報告なのに、勝手に報告の保管方法を決めるとは、一体どういうことか。


「あの、何を話しているのか私にはさっぱりなのですが……」


 おずおずと聞いてみると、課長とタロウは互いに頷き合うと、私のことを思い出したように振り返った。


「本人への説明を忘れてはいけないな。まずは報告処理をしよう。話しはそれからだ」


 そう言うと、課長が報告処理のためバッジとカードを共鳴させる。内容を確認し始めた。


「……なるほど、今回も少し手こずったみたいだが上手くいったのだな。ほう、アニーサは魔法使いだったのか。猫と鳥か、上手いことやったな。ん? ヴィンセントお前……」


 急に笑いを堪えているのか肩がプルプルし始める課長。あ、絶対あのタロウの猫への態度を見ている。でちゅね発言だなこれは。


「やめてくれ、見ないでくれ!」と、恥ずかしがるタロウ。


 しかし、直後、内容を確認していた課長がハッとするように目を大きく開けた。そしてタロウに振り替える。タロウは真面目な表情に戻ると、無言でうなずいた。どうやら課長はアニーサが連れてこられた原因について話し合っている部分を確認したようだ。


 それ以降、課長を取り巻く空気は一変する。何か張り詰めたような空気感になったのだった。


「エミリー、報告をありがとう。ヴィンセント、君が恐れていたことが分かった。この報告はすぐにでも機密情報へと切り替えよう」


 課長は報告の処理を終えると、張り詰めた空気感を変えることなくそう伝えた。


「ご配慮くださりありがとうございます」

 タロウは深々と頭を下げる。


 課長の態度が変わった要因。それはタイミング的にアニーサを世界に連れて行った黒幕に関してであることは私でも容易に想像できた。


「やっと君に話せるようになる」

 タロウはそう呟くと、課長に少し耳打ちする。課長は同意するように頷くと、私達を別の部屋へと移動させた。


 そして、課長が部屋で何やら厳重な結界を起動させる。これは……難易度の高い魔法だ。使える人は少なはずだが、一課長に過ぎないミシェルが何故か起動させていた。

 そう、後から知ったのだが、このことから私は色々察するべきだったのだ。


「さて、盗聴防止が出来たところで……話に移ろう」


 タロウが複雑そうな表情をして話を切り出した。


「話……この世界での派閥。アニーサのつれてこられた謎ですね」


「ああそうだ。あの時、君には簡単にしか話さなかったが、この件には大変大きな事情が隠されていたんだ。」


 私でも分かる。背景の闇が大きすぎて報告を避けるくらいなんだから、迂闊にはしゃべれないだろう。そして厳重な結界が用意されたのも頷ける。


「まず、この世界の話をしよう」

 タロウがゆっくりと話し出した。


 ーーついに始まる。私は姿勢を正してタロウをしっかりと見つめた。


「この世界では二大派閥があるといったな。これを俺達はイーグル派とウルフ派と呼んでいる」


 ここで、タロウの説明を私なりに噛み砕いて説明する。


 私達のいる世界は世界番号で表すと0だ。正式な名はオミクロニアだが、ゼロバンと私達は呼んでいる。


 この世界には魔法省含め異世界に関する省庁が複数存在している。その中で勢力を握っているのが、二大派閥だ。

 2つの派閥の違いだが、現異世界統制大臣のサンダウルフと、現ゼロバン首相のイーグリアを筆頭とする派閥であることが挙げられる。


 イーグリア派は通称イーグル派という。

 代表のイーグリア家の名を取り、鷲をシンボルとしている。歴代首相や大臣を務める、由緒ある一族だ。今のゼロバンの制度の礎を築き、常に各世界の平穏を考え、日夜尽力している。


 一方、サンダウルフ派は通称ウルフ派と呼ばれる。

 代表のデレク・サンダウルフの名を取り、狼をシンボルとする。近年その名を知らしめ始めた、勢いのある集団だ。


 現在、このゼロバンのトップである首相がイーグリア家のセレナ・イーグリアであるため、イーグル派が強く、主導権を握っている状況である。


 しかし、その勢力は近年減退しつつあるらしい。というのもウルフ派が勢いを加速させているからだ。


 一見、ウルフ派は野心の強い人間の集まりであり、着実に勢力を増しているため、次世代としての中核を担い初めているように感じられる。しかし、その裏の顔はずる賢く、邪魔するものは排除するような冷酷な一面をもつのが実態だ。


 ウルフの名の通り、群れに従う者は優遇されるが、歯向かう者はには容赦なく制裁を下す。

 その為か、力を恐れて背後に付くものも後を絶たない。

 

 以上がゼロバンを取り巻く2つの派閥の説明だ。

 

 ちなみに、当の魔法省の悪役局はウルフ派が多いらしい。

 元々世界を闇で征服してやる! 俺のいうことを聞け! みたいな人達の集まりなので、強い者に惹かれる性質がある。そして、冷酷さ故に考えが近似していると感じる者も多いそうだ。それ故に、省庁の中でもウルフ派のバックとして絶大な勢力を持つ。


 そして実は、悪役救済部は珍しくイーグル派なのだとか。詳しい事情は知らないが、その為か、悪役局にしては他の企業のような独特の扱いをされているらしい。


黒幕が存在するようです。

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