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幽霊屋敷記録帳  作者: 藤野
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空き巣の体験談 一

 俺は高校の時、ちょっとした出来心で空き巣をやっていた。その時の体験談を、ここに書こうと思う。


 あの当時、俺には金が無かった。家が裕福なのに、小遣いは無し。ただただ家で勉強しろと言われるだけ。いつしか俺は図書館に行くと嘘をついて、本当に金の無い悪友とつるむようになっていた。

そいつらは万引き、カツアゲ、空き巣……色々犯罪をしていた。俺はエロ本を数回万引きしたくらいで、そいつらみたいに暴力はしていなかった。万引きも立派な犯罪だけど。

 でもある日。悪友の一人、野田にこう言われた。


「いい家があるんだ。お前まだ空き巣やったことねえだろ。なんか盗ってこいよ」


 話を聞くと、このあたりの古い洋館らしい。人が住んでる風ではないのに、庭や外観は手入れされてるようなのだ。野田は金持ちの別荘なんじゃないか、と言う。


「でもそこ、住宅街だろ。人目もあるし、どうやって入るんだよ」


 野田は自信満々な顔をしている。


「そこのお屋敷の後ろは山なんだよ。だから裏に回っちまえば人目もない。……なによりな、山側の塀が崩れてるんだ」


 そこから入ってしまえば、あとは周りは高い塀だから見つかる可能性も少ないらしい。

 俺は提案に喜んで頷いた。その屋敷への好奇心と空き巣への危険な憧れが半々で、リスクなど少しも考えていなかったのだ。

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