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咲也・此花STEPS!! 4~もと・訳ありフリーターの俺が花いっぱいの国でにゃんこな王様になるまで~  作者: 日向 るきあ
THE LAST STEP 『咲也・此花STEPS!!』

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THE LAST STEPS 咲也・此花STEPS!!

 サクの手を逃れようともがいていると、でっかいため息とちっさな笑い声が聞こえてきた。

 やってきたのは、スノーとルナさん。

 額をおさえつつため息しているのがスノーで、優しく笑っているのがルナさんだ。


「あー。まさかとおもったけどやっぱりだわー……」

「ごきげんよう、おふたりとも」

「にゃあああ! たすけてふたりともー!

 サクに、サクににゃんこにされるー!」

「スノー、ルナ……

 ダメもとできくが、こいつ何とかならないか。」


 サクのやつがひっどい言い草でのたまうと、スノーが間髪いれずに断言した。


「無理ね。

 だってあんたがそう作ったんだもん。

 なんだかんだいって楽しいんでしょ? 末永くお幸せに!」

「いやああ!! そんな、スノーさーん!!」


 そうしてスノーがぷん、とそっぽを向いてしまえば、サクははーやれやれさてやるかという顔で俺を見た。

 けれど、絶体絶命の俺を救ってくれたのは、ルナさんの優しいとりなしだった。


「お兄さま。

 人が成長するには、経験が必要なのですわ。

 サキさんも、お兄さまも。

 そうして一歩ずつ、進んでいけばいいのですわ。

 わたしも、いっしょに歩んでゆくから。

 末永くともに、がんばりましょう!」


 スノーとサクの腕を抱き、ルナさんが優しく言えば、その場の空気はやわらかくほぐれる。

 いつしか俺たちみんなの顔に、しあわせな笑みが浮かんでいた。

 ふと見上げれば、空には綿毛のような雲。足元には小さな白い花がゆれている。

 俺の口からこぼれだしたのは、前々から考えていたこんなことだった。


「近いうちさ、ユキマイでも『お花見』ができるといいな。

 もっと緑化が進んで、気温が落ち着いて、みんなでいっしょに。

 スノーフレークスの花が咲いて、そらいっぱいに綿毛がとんで――

 そのあと、ピンクの桜がいっぱい咲いて。

 スノーとの夢がかなったらつぎは、ユキマイの『サクレア』をこの目で見てみたいんだ。

 俺のチカラで無理に咲かせたんじゃない、自然に咲いた、あの花をさ」

「完全に自然に任せるなら、最初の開花まで最低でも五年はかかるだろうな。

 それも、朱鳥あすかで見た花見風景のようにはならない。あくまでちらりほらりレベルだぞ。

 俺としては、お前のチカラで根づきまでブーストし、あとを適宜面倒見てやることを勧める。

 そうすれば、ユキシロの技術とあわせて来年にはそこそこの開花が。再来年には、大きな祭典にふさわしい樹勢と花つきが見込めるだろう」

「じゃ、つぎの春にぷれお花見会、本格スタートを次の次の春にしよう!

 ま、自然といのちが相手だし、努力目標になるけどな」

「よーし! 兄さまたちといっしょにがんばるわよ!

 みてなさいサキ! 緑化から桜の植樹、お花見会場の設営まで、しっかりばっちりやってみせるわ!!」

「それならわたしは、おもてなしの内容を考えなくっちゃ。

 さっそくみなさんにご相談ですわ!」

「よし、俺も各方面に声をかける。

 サキは、そうだな。まずは大使館を回って話をしてみてくれ」

「よっしゃー! やるぞー!」


 えいえいおーっと掛け声をあげれば、そこらにいた人たちが、なんだなんだと寄ってくる。

 かれらに道すがら声をかけながらゆけば、うわさはあっという間に広まった。



 そうして数日後。

 とりまとめられた計画はユキマイ初の国家事業『ユキマイ・花いっぱいプロジェクト』としてスタートを切ったのだった。


 ユキマイがもう一度、笑顔いっぱい花いっぱいの王国になるまで、あともうすこし。

 それまでに俺も、ちゃんとりっぱな王様になっておきたいところだ。

 まあそっちは若干不安がないでもないが……それでも、前を向いて歩んでいこう。



 ユキマイは、俺たちは、進んでく。

 夢に向かって、一歩ずつ。

 今日も明日も、一歩ずつ。

 ときにくじけることがあっても、みんなで支えあって、元気を取り戻したらまた一歩。


 なにがあっても、進んでいくのだ。

 いうなれば、そう。


 ステップバイステップで。







~ 咲也・此花STEPS!! 完 ~


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