1日目~夜~襲来
遅くなりました。
バタン!
大きな音がたったに気づき目を覚ます。
「ウオオオーーン!!」
と大きな吠える音が聞こえる。かなり近い。
私は冷静に小屋の玄関を音をたてないように見に行った。幸い玄関は破壊されておらず仕掛けた罠も作動していなかった。
が。
「ウオオオーーン!!」
玄関の向こうにはとてつもない威圧感を放つ何かがいることは確かであった。
恐怖で足がすくむ。何故私の位置がわかったのだろう…
恐らく私のいることは相手にはわかっているだろうが足音をたてないよう護身用の武器をとりに行った。
しかし不気味だ。小屋の前にいる「やつ」は何故ドアを破ってこないのだろう。
どれくらい強いのかは知らないが一向に吠えるだけでなにもしてこない……
まさか仲間を呼んでいるのだろうか。よく動物は仲間と共に行動する種類がいると聞く。仲間を呼ばれると不味いのではないだろうか…
多勢に無勢。「やつ」がどれほど足が遅かろうと早かろうと数が少なければ少ないほど私の生存率はあがる…!
そう考えた私は持てるだけの武器になりそうなものをもってドアを開けた。このままここに居ても私が消耗するだけだ。突っ切る他無い。
しかし私の計算は間違っていた。
「ウオオオーーン!!!」「ウオオオーーン!!」「ウオオオーーン!!!」
「嘘でしょ…!」
「奴等」はなんと一匹に聞こえるように同じ鳴き声をだしていたのだ。
私が勝手に今なら単体だと思い込んだせいでこうなってしまった。
この小屋は最初から完全に「奴等」に囲まれてしまっていたのだ。
「ガルルルルル…」
一匹の巨大な犬…一般的に猟犬とよばれるものだろうか、少しずつ距離を縮めてくる。まずい。
狩りの対象は私だ。周りの奴等も少しずつ距離を縮めてくる。
どうする。突破口はもう残されていなかった。決死の覚悟で私は正面を突破しようとナイフを構えたそのときだった。
「君!!こっちだ!!」
と人間の声が聞こえた。反射的にそちらの方を向くと小柄な青年が手をふってアピールしていた。
「耳を塞いでっ!!隙を作るから逃げるんだ!!」
青年は手に何かを持っていた。私はそれが何かまでは分からなかったが彼の指示通り目を塞ぎしゃがみこんだ。
キーン!!!
「ギャオオオ……」
一瞬何が起こったか分からなかったが耳鳴りのような大きな音がした。気がついたら「奴等」はびくびくと痙攣して弱っていた。個体が大きくなればなるほど今の音に敏感なのだろうか、とても弱っていた。
「今だ、早く逃げろ!!話はそれからだ!」
青年はそういうと森の方へ走っていってしまった。私は観察をやめて彼の後を追った。
真っ暗な夜の森は不気味過ぎて少し怖い。だが彼を追わなければまた「奴等」に見つかったら…
私は全力で彼を追いかけた。
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走って追いかけていると彼と合流することができた。すこし安心だ。
「はぁ…はぁ……」
「…よかった、無事で。」
彼はそういうとリュックから水を出してくれた。
「ごめん。奴等の相手をさせて…」
「いえ…謝らなくていいんです…だって私が狙われてたんですから…お礼を言うのはこちらの方で…」
「いや、実は元々は僕を狙っていたんだ…必死に逃げてきていたらいつもの奴等を撒きやすい小屋群に来てしまってね…擦り付けてしまう形になってしまったんだ…」
「…そうだったんですか…」
「奴等、耳と鼻がいいから女の子の匂いに気付いて君の方にターゲットを切り替えたんだろうね…」
申し訳ない。と頭を下げる彼。私は「いいんです、助けていただいてありがとうございました。」と答えつつふと疑問に思ったことがあった。
「貴方は…このゲームのことを知っているんですか…?」
そう。彼は「奴等」の弱点を知っていた。それに小屋群のことも知っている…
「貴方はもしかして…このゲームの…?」
「あぁ、僕は一応このゲームの経験者。そして生還者だ。」
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「僕はロディだ。まあ適当に呼んでくれよ。」
ロディと名乗った青年はこのゲームの過酷なルールを知っていた。
私を見捨てて逃げることもできたのに助けてくれたことに本当に感謝しなくてはいけない。
「ありがとうロディ。これからよろしくね…」
「あぁ、よろしく。」
そこで私は彼と共に行動することにした。ロディもそれに賛成してくれてほっとした。
「ロディ、とりあえず何をすればいいかな…?」
「そうだな、このゲームの大切なことと言えば命を守ることだ。早くここから離れてどこか安全な『街』へ行こう。」
…街?このゲームに街なんてあるのか…
「そこにいけば安全なの?」
「完全にそうとは言えないけど、皆がハンターに対して力を合わせて抗うから…まだ楽だと思う…それに物資が集まるから…」
なるほど…人が集まるのなら私の記憶についても何か知っている人がいるかもしれない…
「わかった…行こう。」
「…あぁ、そうだまだ君の名前を聞いてなかった。君の名前は…?」
…そう言えば私の名前を私が知らなかったんだ。…どうしよう。
…無難に適当でいいや。
「アリス。アリスって呼んで。」
「わかった。アリス。付いてきて。」
心強い仲間を手に入れた。私は何だか勇気がみなぎってくるような気がして嬉しかった。
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「…………ロディか。……」
暗闇に潜む影のなかに俺は隠れて彼等の話を聞いていた。
「厄介なことをしてくれおって………これは『王』に伝えなければな…」
はっと息を吐き移動しようとすると弱った『猟犬共』がこちらに集まっているのに気づいた。
「力無き者は生き残ることはできん…力を示せ。」
「ワオオオオーン!!!」
『猟犬共』の鳴き声がこだまする。俺はその鳴き声を聞きつつ闇に消えた。
そう。ロディに復讐を果たすために。
九月中にまた更新できたらいい…ですが。
色々とやることがあるので厳しいかも…
是非是非評価、アドバイスお願いします。