1日目~昼~ 探索
私は小屋を後にして、外の探索に出た。
生き残るために何が必要だろうか。寝床?拠点?隠れ場所?食料も満足にある訳じゃないし探した方がいいのかな…とこの異常な空間のなか気味が悪くなるくらい冷静でいた。
何をすれば身を守ることができるのか。どこかにいい隠れ場所は無いのだろうか。
早速行き先を決めるため地図を開いた。丁寧にチェックマークが入っている。…これは最初の地点に打ってあると言うことだろうか。それならばこの周りはずっと森だ。…
こんな不気味な場所、早く抜け出したい…そう思っていると道端に小さな箱が落ちているのを発見した。
このゲームは「運営」が支給品をマップのあちこちにばらまいているらしい。それは作り出せないものだったり、貴重な食料だったりする…とルールブックの豆知識のコーナーにかかれていた。
「…誰もいないよね…」
私はその箱に近寄り中身を確認した。中身は小振りのナイフ。扱いやすそうなものが手にはいって一安心した。
なるほど、こういう感じで支給品を拾っていく感じなのか。…フィールドにあるものは使っていいと書いてあるので木とか切っても大丈夫なのだろう。…そんな体力はないが。
とりあえずこの辺を探索してみよう。もっと何かあるはずだ。
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暑い。お日様が木と木の間から顔を見せている。とても暑い。
早めに建物のなかに避難したいところであるが、森のなかにそんなものは存在しない。
そろそろ探索をするのが疲れてきた。あの木箱以来支給品の影は全くなく収穫がなくて少し焦っている。見落としているのだろうか、それとも同じところをぐるぐる回っているのだろうか。
しかしもうあとに戻っても無意味だ。力尽きてしまったらそれまでだったということだ。
そんな覚悟を決めた私は自らを励ましまた歩を進めるのであった。
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「…あれは。」
どれくらいたっただろうか。少し日が傾き始めた頃。小さな集落のあとのような小屋が沢山建っている場所に出た。
少しあそこで休んでいこう。と考え私は小走りでそこに向かった。
建物は木造で、古ぼけた感じの昔ながらの家がほとんどだが、全然使えるし、「侵入可」と書かれてあるため自由に出入りできる建物であると言うことだ。いいところを見つけたかもしれない。
先ずはこの小屋回りを探索した。休む前にもう一仕事終わらせておいた方が楽と判断した。
小屋回りは支給品が豊富で、鉈とトラバサミと2Lのスポーツドリンクが入っていた。トラバサミなんて何に使うのかわからない。ハンターが使うものじゃないのか?
また、小屋のなかの押し入れにも木箱が入っていたが鍵がかかっていて開けられなかった。めんどくさいことをする分何か使えるものが入っているのかもしれない。
周りの探索を終え一先ず安全なところを確保したところで、夜を過ごす1日目の拠点をここにすることを決めた。布団もあったし、疲れきってしまったら寝てしまおう。
さて何か忘れていることはないかな…念のため入り口にトラバサミを置いておこう。ちょっとした防犯だ。
布団にくるまり目をつむる。疲れていたのか私の意識は直ぐに深いところへ落ちていった。
外で少し騒ぎになっていることなんて知る由もない。
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一方その頃。
森のなかでハンターにおわれているある一人の男がいた。
「ちっ…「猟犬」どもめ…ついてねぇっ!」
「グルルルルル…ガウゥゥ…」
男は逃げながらもある目的地に向かって走っていった。
(何も武器がないのはきつい…せめてあそこまで行ければ…!)
男は全力で逃げる。ハンター達は必死に追いかける。
(まずい…追い付かれるっ!)
「ガウウウァァ!!」
男は全力で逃げる。死に物狂いであの場所へと向かうのであった…
更新は気まぐれです。気長に待っていただけると幸いです。