序
目が覚めると私の目に飛び込んできたのは古ぼけた木の天井だった。
「・・・」
私は戸惑った。ここは私の家でもなければ心当たりがある場所でもない。
私は起き上がる。すると間髪いれずに
「お目覚めですね。」
急に男性の声が室内に響いた。驚いて辺りを見渡すが誰もいない。
「突然ですが、これからあなたには簡単なゲームをしてもらいます。拒否権はありません。」
どこからかアナウンスされているようだ。部屋にスピーカーでもついているのだろうか。
「あなたはこれから三日間生き延びてもらいます。フィールドにいるハンターから逃げ続けてください。逃げ切れられれば賞金一億円と貴女の記憶をお渡ししましょう。」
起きたばかりではっきりしない頭では理解が追い付かない内容であった。
いきる?ハンター?逃げる?記憶?
「あなた様は初めての参加になりますのでルールブックとサバイバルガイドブックを差し上げます。有効活用してください。」
・・・とりあえずわかったことは、私は生き延びればいいということだ。
しかし、どうして私はこんな場所にいるのだろう。 そもそも私はこんなゲームに参加した覚えはない。
いや。
そもそも私自身の記憶がない。
昨日の夕飯がカレーライスだったような気がしてならないが気のせいだろうか。
「フィールドに落ちているものはご自由にお使いください。もちろん生きてさえいれば何をしても構いません。」
私は立ち上がり背伸びをした。
何が起こっているのか全くわからないけど与えられたものは全力どやるのがモットーだ。
それは覚えている。性格は染み付いているからなのだろうか。
「それでは、早速始めさせていただきます。」
私は何故か夕飯のカレーライスの残りを探しないことに落胆した。
とりあえずルールを読んでご飯でも食べよう。
そうすれば名前くらいなら思い出せるはずだ。
「記憶と命を懸けたソウルゲーム開始!」