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イヌについて考えてみました。
私はメイ。半年前まで、イヌとして生きていたの。真っ白な日本スピッツの女の子だったのよ。つまり、今は幽霊ね。
私、今も可愛がってくれた家族を見守っているのよ。大好きだから。
私の飼い主は、パパのハルキ、ママのナナコ。そして子どもたち。ショウタとリリ。
ある日ペットショップに髪の長い人が飛び込んできた。ピンときて、思い切り尻尾を振ったら、なでなでして、抱っこしてくれた。そして言った。
「ウチのコに、ならない?」
それがママである、ナナコとの出会いだった。
シャンプーして、箱に入れられて、ゴォー、とかガタガタとか外から聞こえた。暗い箱の中は、ちょっぴり不安だった。
「ここが今日からあなたのおうちよ。」
箱から出ると、そこは知らない場所。知ってるコもいない。シャンプーのお姉さんもいない場所。急に不安になった。でも、ナナコの抱っこはすごく落ち着いた。
しばらくして、知らない男の人が来た。
「可愛いなあ!」
私を抱っこして言ったの。嬉しくて、顔をペロペロしたら、たくさんなでなでしてくれた。これがパパであるハルキとの出会いだった。
ナナコとハルキとの生活は最高だったわ。イタズラして、怒られたりもしたけどね。ただ、ハルキはほとんど家にいなかったから、私はナナコを守らなくちゃ!って思うようになったの。ハルキは、大きなスーツケースっていう箱を持って出かけると、しばらく帰ってこないの。だからナナコの「キャー!」とか「助けてー!」には、いつもアンテナ張ってたわ。大きなコたちに向かって行った事もあるわ。ナナコのためなら、大きなコ二頭だって怖くなかったよ。
私にはナナコが泣いている姿をみるほうが辛かった。お仕事から帰ってきて泣いてばかりいる時期があった。そういうときは私も心配でゴハンが食べられなくなった。
涙をペロペロしてから、体をくっつけて落ち着くまで待つのが私の役目。ナナコを守りたかった。
ある時、ナナコが横になってばかりいるようになった。病気になったと思った。そしてハルキがいないときに苦しそうに唸って、一晩寝込んだの。心配で、悲しくて、寝ないで看病した。
「心配かけてごめんね。大丈夫よ。メイはお姉ちゃんになるのよ。」
少しだけ元気になったとき、ナナコが私をなでなでしながらそう言った。それからどんどんお腹が大きくなった。
あるとき、大事そうに何かを抱っこしていたの。
「よろしくね。メイの弟だよ。」
小さい、小さい、ニンゲン。それがショウタだった。
ショウタが来てから、抱っこもお膝もショウタばっかりだった。さみしかったな。
『お姉ちゃんになるってフクザツね。』




