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ネットカフェ難民

作者: よしぼう

ある日突然、社会の歯車から落ちこぼれ、そこで体験した日々の過ごし方で、普段見えないものが見えた様な…。立ち止まる機会が必要だと確信しました。

朝5時に、この狭い空間の中で起床。

うつろな目でパソコンの画面の時計を確認する。


今日の最高気温が7度と天気予報の画面。


世間は師走だなんて言ってるけど、社会の歯車から脱輪した僕は

いつもと変わらぬ毎日の繰り返し。

今から寒い外界に出て

いつも様に図書館に通い今日の一日を計画する。


人はどこに向かって行こうとしてるのか…

人は何を得ようとしてるのか…考える時間があればあるほど、人生哲学の分野に発展してしまう。

三面記事のニュース…真面目で大人しい人が過ちを犯す…どんな人だって幸せになりたいに決まってる。学歴や身分や環境が違えど、みんな幸せに向かって生きてるはず。

だけど、世の中そんなに公平なもんじゃない。

どこまで走っても、同じ道をぐるぐる回るものだっている。進路変更なんてどこにもない。決まり決まった迷路にはまり込んでる。

その日暮らしの財布の中身を、そっと…

期待と裏腹に千円札が3枚。

当たり前かと現実に戻りながら、明日の仕事の予約を電話する。

毎日、眠い目を我慢しながら朝早くに出勤して、夜遅くに疲れ切った顔して帰宅する…。

これが世間の常識。誰ひとり文句など言う人はいない。むしろ、誉め讃えるに違いない。

間違った事…いや、錯覚か麻痺してるのか、美徳という言葉は、なにかしら意味を履き違えてる気がしてならない。

少し高めの家賃のマンションに住んで、勤続10年の貯蓄もそこそこあるサラリーマン。

かたや、その日暮らしのうだつの上がらないネットカフェ難民…難民って表現もどうかと思うけど。

僕にとっての幸せは

決していいマンションに住む事でもなく

決して勤続10年を目指す事でもなく

決して貯蓄をする事でもない。

被害妄想…なんてひとつもない。人間が人間らしく生きるという事…難しくしてるのは、結局人間。喜び、怒り、哀しみ、楽しみ…喜怒哀楽の表現を素直に出来る人が、果たしてどれだけいるだろうか。

生きる中で、普通に暮らす程、難しいものはないと感じる。当たり障りのない…まるでロボットの様に振る舞い続ける事が、社会の一般常識と人は認知する。


午後9時。またいつもの窮屈な個室に入る時間。窮屈ながら、僕には居心地のよい空間。しゃべってはくれない画面に、いつも心で話してる。

暗いとかネクラとかオタクとか…そんな代名詞だけで、この空間は語れない。

改めて…財布の中身を確認する…ひょっとして、お金の価値がわかる人って、無防備なこんな僕の事なんじゃないだろうか。

万歩計が1万を超えた今日の散策は、眠りと共に終わりを迎えた。


ほんとの幸せって、人それぞれだけれど、決して形やものではない事だけは確か。皆さんが普段思ってる疑問や矛盾も、ひょっとしたら見過ごしてしまってる気がします。

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― 新着の感想 ―
[一言] この問題を書くには片方の意見に偏りすぎかと・・・
[一言] ネカフェ難民て言葉はニュースや新聞でよく耳にします。 私は田舎暮らしなので、幸い縁がありませんが、不景気に飲み込まれ財布と通帳残高を見比べ、ため息をつくことが多くなりました。 ほんの些細な幸…
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