駆ける-賭ける
「たづきちゃん……だっけ?」
「あの女の子の名前?」
階段を駆け上がりながら名前の確認をする。
「あぁ。……説得出来るのか?」
「…………難しいでしょうね。」
俺は立ち止まる。つられて交野も立ち止まった。
「そう……なのか?」
「おそらく……ね。それでも行くんでしょ?」
交野がまた走り出す。言ってくれるな…その通りだよ。俺も、交野を追いかけるように走り出す。そして追い付き、追い越しながら言う。
「もちろんだよ!自己満足だろうが無駄骨だろうが俺はやらない後悔なんてしたくねぇからな!それに……」
「それに……?」
交野がまだ何かあるのかと目で訴える。話す体力は…残ってないか。
「それに、『人生は選択で作っていく』んだろ?」
ちょうど三階に辿り着いた。
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「あなた達……だれ?」
たづきちゃんが、至極真っ当な質問を俺たちへと投げ掛ける。さきほどから岡ちゃんが下で何か叫んでいるが彼女の耳に届く気配はなさそうだ。
「私は、交野つむぐ。この中学の卒業生よ。と言っても、卒業からまだ半年も経ってないけどね。」
交野が律儀に自己紹介を済ませる。俺はいらない……こともないみたいだな。たづきちゃんに睨まれながらの自己紹介をする
「俺は橘佑紀。う~ん……いちよ、ここの卒業生に…ならないこともないかな。学年はつむぐと同じで高校1年生。よろしくな。」
何がどうよろしくなんだと2人から睨まれる。て、2人?おかしくないか?
「なんでこんなことを…してるんだい?」
「そうよ!こんな馬鹿な真似…」
「うるさい!何も知らないくせに…馬鹿な真似だなんて言わないで!」
つむぐは過去の自分を省みての言葉だったんだろうけど、逆効果だったみたい。
「つむぐ…言い方が悪いよ。」
諭すようにつむぐに指摘する。つむぐもつむぐで、自分の非を認めたのか、
「……ごめんなさい…。」
素直に謝罪した。それを聞いてからたづきちゃんの方に向き直る。
「あのさ、馬鹿にしにきたわけじゃないんだ。こんなことをするくらいだから、それ相応の理由があるんだろう?良かったら、教えてくれないか?」




