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⑦
僕は女の子の部屋を出て、残り数軒の担当地区の子ども達を全て回るために地図を見た。
あの小さな女の子がくれた大きな贈り物は、僕の心の火に力をくれた。
もう一度今まで回った家々を全部回り直したい気分に駆られたが、少しだけ自分を甘やかそうと決めた。
たった今から、心に迷い無く祈れる。
僕は、サンタクロース。
‐Fin‐
『僕等サンタクロースは、ただ君の願いが叶うように、祈ることしか出来ない。
身近に居て応援してくれる人達とは違って、僕等の祈りを君は知らない。
君が知らないところで、君を思って祈る者がいる。
君を見守っている人は、君が知っている以上に世界に存在している。
その証しが、僕等サンタクロースなのかもしれない』