表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

その17

その17


それは突然脳裏に浮かんだ。

真っ黒な中にポツンと自分の全身が何か踏ん張った感じで立っている。横に『×1』と出て再び真っ黒になって行く。


……意識の遠くで声が聞こえる。

「…ザオ◯ル」

「…レイ◯」

死者復活の呪文だな…。

でも、こうして意識があるって事は生きてるから無意味じゃないのか? 夢か?

声が次第に大きくなる。ありがたいけど、うるさいなぁ。

と思ったらバチッと目を開いた。

「おぉ!生き返った!見ろ、俺の魔法のおかげだ」

「僕の魔法の方だよ!」

赤魔◯師と血をひく少年が言い争いを始める。

やっぱりうるさいなぁ。

「意識が戻ったんですか!」

少し遠くでゆう・れいひの声が聞こえ飛んで来る。

「良かった。本当に良かった」

れいひは涙を浮かべ喜んでいる。

んっ?そういや……何でこんな広場の真ん中で寝てるんだ。

ふと疑問を口にする。

「覚えてないんですか?」

何を?

「いや、あのルシファーにさ」

赤魔◯師が帽子を軽く押さえてそっぽを向く。

ルシファー!!

そうだ、ルシファーに捕まって…魔界から悪魔の軍団が地上に!?

そこで飛び跳ねるように上半身を起こす。

多少眩暈を覚えたが大丈夫だ。

周りを見回しながら手を胸に置き心臓の鼓動を確かめる。公園の景色も変わっていない。心臓も動いている。

「安心してもらって良いですよ。ルシファーは撃退しました」

血をひく少年が察して教えてくれた。その後ろに△トの剣が地面に刺さっている。

「気付かれたんですか!!」

声の方に振り向くとお嬢さんが駆けてくる。

目から涙が流れている。

あぁ、みんなに心配掛けてしまった…みんな?

「みんな帰ったよ。アーサーも孫悟空もあの影みたいな奴も漁師も。熊は孫悟空がどっかの山奥に連れていったらしいけど」

赤魔◯師はチラッとお嬢さんに目を遣って戻す。

二人は何でいるんだ?

「もうちょっとしてから戻ろうと思っただけだよ。これも戻って来たし」

赤魔◯師は水晶球を手の平で転がす。そんな扱いで良いのか?

「この人意外に心配症なんですよね。目が覚めるまで待ってようって」

血をひく少年が笑う。赤魔◯師は帽子を押さえ顔を隠す。照れてるのか?

「しかし残念です。エクスカリバーとか持ち主があるモノは仕方ないんですが、他のモノは消えて無くなってしまいました。もちろん依り代として使ったあれも。正確には元あった世界に戻ったんだと思いますが。

データディスクもディスクだけ残ってプログラムが全て消えてしまってるらしいです。

再現出来るかがこれからの課題になるでしょうね」

れいひが苦笑する。

しかも、今回の魔法陣の一件の為設置し撮影した映像も全部駄目だったらしい。

「何かは映っているんですが、それが何かが分からない状態です。本当参りましたよ」

後日れいひが以前撮った写真にも写っていたはずのモノが消えてしまったと溜め息交じりに教えてくれた。

お嬢さんの方も同じだったそうだ。

「貴方にあった…扉が開いて…その後戻った事で各地て起きていた事象も収まりを見せているようです」

お嬢さんが付け加えるが言い淀んだ感じはなんだろう。

『扉』が開いたという事は…。

その『扉』の『鍵』は確か…。

「そう、あんたは奴に命を奪われ扉は開いたんだ」

赤魔◯師は一息ついて話し始める。

「俺たちが見たのは、あんたが捕まって奴が結界を張った。

その後巨大な黒い手があんたを包み…」

どうしたんだ?周りのみんなも一様に俯いて暗い表情だ。

「…次の瞬間手が開いたと同時にそこから円状に空間が広がった。

あれが奴の言う『大いなる扉』だったんだろう。

はっきり言って絶望した。諦めてはいけないのに、その絶望が広がっていく。

空間から奴の実体だろう手が現れあの意識体と同化していくのが分かった。

情けない話だが俺は動けなかった。

仮にも俺は自分の世界を救う事を託された人間だ。

なのに歯止め一つかけられないまま呆然とするしかなかった。

絶望の空間が加速し広がりを増して行くと思った瞬間、円の端が眩しい光で輝いて一旦止まると空間は急速に収縮を始めたんだ。

その時多くの様々なモノが吸い込まれていくのが分かった。

光は収縮して一つになり爆発したかのように弾け飛んだ。

絶望の空間も奴の黒い手も消え去っていたが、奴の意識体はまだ残っていた。

俺たちも混乱していたが奴もそうだったんだろう立ち尽くしているように止まっていた。

ふと気付くと魔法陣と武器の結界が解けていたんだ。俺たちはそれぞれ武器を手に取り退魔の魔法陣を作り見事魔界に送り返したって訳だ」

そこに血をひく少年が付け加える。

「で、魔法陣の元あった所にあなたが倒れていたんです」

『扉』は開いたけど、閉じたのか。

でも、どうやって生き返ったんだ。三途の川すら見なかったぞ。実は気絶しただけで死んでなかった?いや、考えれば考える程訳が分からなくなる。

…そうか、多分そうだ。コイン100枚で1UP?したからか生き返ったんだ。

しかしまさか本当に1UP?してるとは…。

無限1UPしてたらどうなっているんだろう?

毎回生き返る?時『×◯』とか出るのか?

疑問は尽きないが、今ここにこうして生きているから良しとしてこれ以上考えないでおこう。

それにしても、何でそんなに暗い感じなんだろう?

後になってれいひに聞くと無惨この上ない命奪われ方をしたようだ。

確かにあの手に握り…覚えてないけどクラクラしてきた。

その上五体満足で復活した事も奇跡と言うしかないにしても、トラウマを残しているようだ。

「あなたは最後の最後に『奇跡』も『引き寄せ』世界を救ったんです。結果論になっちゃいますけどルシファーを召喚し、一度は扉を開いてしまった事も運命だったと言うしかありません。

あの輝きが扉を閉じ時空の歪みを戻し、あなたの新たな命として宿ったんでしょう。

そうでなければ、お嬢さんの言っていたように時空の歪みが進み大変な事態を引き起こし、あなた自身も扉の力に耐え切れなくなってこの世界から消失していたかもしれません」

れいひが分析する。

「でも本当に良かった…貴方から何も感じられなくなりました。

時空に関する事象は全部ではないにしろ収まっているので目立って目にする事は無いかもしれませんがゼロとは言えません」

お嬢さんは目の前の二人を一瞬見る。

「じゃあ俺もそろそろ帰るよ。やるべき事があるしな」

そう言って赤魔◯師は水晶球の入った袋を軽く叩く。

「もし俺の世界に来る事があれば『飛◯艇』に乗せてやるよ。ここにも空飛ぶ物はあるみたいだけどな」

えっ、天翔ける船に!それは是非とも乗りたい!!

「僕の世界に来たら…おもてなしはします」

血をひく少年は少し困って言った。

何だ対抗して『ラー◯ア』とかに乗せてくれるのかと思った。

そういや彼は血をひく子孫の一人という事だろうが、どういう時代の人何だろう。

まあ、あまり追及はしないでおこう。いろんな意味で。

そして二人は別れの挨拶をすると全身透けていき消えてしまった…。

えっ、そんな帰り方なんだ。帰る先は夢の都がある場所と上か下かの世界なんだろうな。

「行っちゃいましたね」

れいひが感慨深げに二人が居た何も無い空間を見つめる。

「あれだけの事があったのに、みんな無事で良かった」

お嬢さんはまた涙を流しハンカチで拭いている。

「機材がめちゃくちゃで大変ですよ。会社には何て言えば納得してくれるんだろう?」

れいひは頭を抱えてる。

超常現象で良いのではないだろうか?本当の事なんだし。

「何かしら映っていればどうにかなったんですが。体験談としても信じてもらえるかどうか…」

そんな仕事のはずなのに変な話だ。

確かに三人もの体験者がいてもどこまで信じてくれるだろう。

唯一データディスクについてはあれだけ大々的に記録映像として残しているので、そのプログラムが消えた理由の一つとして信じてもらえれば良い方だ。

例え映像が残っていたとしてもどうなんだろう?映像を技術的に加工するなんて事は一昔前と比べれば段違いに上がっていて素人でも驚く程の物を作る事が出来る時代だ。

何%の人が信用するだろう。

まあ、UFOとか心霊写真とかそうだし、全部事実でも、どう伝わるか分からないしなぁ。

「それは私の方で何とかします。ノートパソコンの弁償もさせてもらいます。私は何も出来なかったので、それくらいさせて下さい」

えっ、それは助かる。れいひも喜んでる。

でも、それはお嬢さんのポケットマネー?それとも組織から何かの経費で落とすのか?

ついつい邪推してしまう。

ぐぅ~。

あっ、腹減った…って事は改めて、改めて生きているのを実感する。

「朝ごはんにしましょうか。僕が奢りますよ。あの凄い体験をした三人の無事を祝して」

れいひの誘いにお嬢さんはやんわり断りを入れ、こちらに優しい視線を送ってくる。

やっぱりこの人美人だ。

「ごめんなさい。私はもう行かなければ…。貴方の無事も確認出来ましたし」

「また会えますか?」

れいひの問いにお嬢さんはしばし考え答えた。

「…機会があれば…さようなら」

お嬢さんは涼しげな笑顔で別れを告げ背中を向け遠ざかって行く。…機会があれば、か。

その後ろ姿を見ながら、れいひは言った。

「ク魔人の事は何らかの形で記事にしようと思ったんですが止めておきます。彼女の事もね。

それに今更ですが、あれは本当にルシファーだったんでしょうか?

まあ実体が現れたとして比べようもないので何とも言えませんが…。

じゃあ僕たちも行きましょうか」

太陽が眩しくも暖かい光を与えてくれる。

もしかしたら、この太陽の下ここにこうして立っていなかったかもと思うとつくづく命のありがたみが身に染みる。

いろいろあったけど良かった。本当に良かった。

近くの喫茶店で朝ごはんにした後アパートまで送ってもらう。

「今回の件はありがとうございました。

いえ危険な事になってすいませんでした。

絶対記事にはしますので、その時は協力お願いしますね。

あっ名前は出します?止めた方が良いですか?」

謎のゴーストライターゆう・れいひ。

すっかり元気になっている。

これからも多少会う事がありそうな気がするが変な事に巻き込まれないだろうか?

いや、基本変な事と言っては悪いが謎を追求する仕事だしな…。

「また連絡しますので、懲りずに会って下さい」

れいひは、爽やかに去って行った。


家に入ると何も変わらない部屋が待っていた。

あっ『?ブロ◯ク』も無くなってる。

本当に今回の事を語る証拠が何一つ無い。

データディスクも物として消滅していないだけだしな。

待てよ。またあの車椅子の人がディスクを配ってないとは言い切れない。可能性は低そうだけど。

お腹も程良くいっぱいになったし、少し横にでもなるか。

…いつのまにか眠ってしまい多分夢を見た。

おかしな不思議な短い夢だ。あの生き返ったのと見たのと同じ感じだ。

テレビ画面にゲームのセーブ画面が映っていて三つ、いやスクロールさせればもう少しセーブが出来るようになっているようだ。

そのうち一つにセーブデータが保存されていてカーソルもそこになっている。

他に保存データは無い。

え~っと保存されてるセーブデータは今日の日付けか。ここにセーブすれば良いか。

『上書き保存されます。以前のデータは失われますがよろしいですか?』

で、『はい』or『いいえ』が出て来る。

で、『はい』に決定。

『セーブしています』と数秒出た後『セーブしました!』とメッセージが表示されるとそのままフェードアウトしていった。

そしてまた数秒後…。

画面の奥から何かが迫って来る?!文字?

ドーンという効果音がして、迫って来た文字が画面いっぱいになって止まる。


『ふぁんたずー』


えっ何?と思っていると文字が淡く光り消えてしまった。

そこで目が覚めた。

…あれは?何故セーブ画面?あんな夢初めてだ。

もしかして『強くてはじめから』的な事が出来るのか?

『強くては』は変か?『知っててはじめから』かな…知らない部分もあるだろうけど。

それとも、何処からかの続きで新しい分岐が出来ているとか?例えば『エクスカリバー』じゃなく『草薙の剣』だったり『ルシファー』じゃなく『ハーデス』だったり。

それこそ『心見◯窓』を使っていろんなモノを探し当てたり……んっ?

しまったぁー!!それなら空きにセーブすれば良かったぁー!?

…まあ、セーブしたとしてもどうやって続き、いわゆるロードをするかだけど…。

……待てよ、待てよで、もしかして。

喫茶『はじめから』があるじゃないか!!

そう、あそこでノートに書いた事で『記録セーブ』されているに違いない!?

行ってみる価値はあるはずだ?書いた事は『また、来ます。オムライス美味しかった』だよな。あれがパスワードになってマスターに伝えれば…れいひに会った時から始まると、良いなぁ…。

そうじゃなくても『エクスカリバー』を手にする所からか?

いや全く別の所から始まるのか?

いろいろ想像し期待してしまうが…何も無いんだろうな。

行くだけ行ってみよう。

でも、もう夜だし明日にするか。

そうだ、昨日の魔法陣に関するニュースって何か無いかな?

ついでにネットオークションに面白いモノでも出てないかな?

…ソウ、ナニカオモシロイモノガ…


そんな事を思いながら、パソコンを立ち上げるのだった…。



…終わりました。


何とか終わりましたというか、終わらせました。

本当はもっと短い予定だったのが、モノの意味を持たせようと思い魔法陣の力の増幅にする為モノを増やしてしまいました。

なんて無理矢理な話何だろう(笑)。

最後も急にいろんなキャラを登場させ、よく分からない戦いになっているのもあまり考えてなかったのであんな感じに…。

一応公園は封鎖をかけてた?ので人がいなかった?

突っ込みどころは多いと思います。

本当、借り物競争みたいな話です(笑)。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ