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その10

適当な知識で書いてるので、心のなかで、突っ込んだり、流したりして、読んでもらえれば。

その10


「金の斧、銀の斧、鉄の斧」を手に入れた!


インターネットでいろいろと調べ物をしていると、とあるサイトに辿り着いた。

『泉のヘルメス』

そんな名前のサイトだった。

ヘルメスと言えばギリシャ神話の伝令神として有名だが、どうも使い走りのイメージがある。神様なのに。

でも、神様ってテレポートで移動しそうなのに、一応走るんだな。神出鬼没って言葉は間違いなのか?

まあ、めちゃくちゃ速いには違いない。

しかし、その素早さを買われて?泥棒の守り神になったりと皮肉なものだ。

逆に鼠小僧次郎吉なんかは泥棒なのになかなか捕まらなかった事で、墓を削られてギャンブル運のお守りになったりと人の信奉って都合が良い。

話がそれてしまった。

ともかくサイトの話に戻そう。

『…もしもの時の…』どうやら保険か何かの会社のホームページに飛んだらしい。

いつもだったら会社のホームページなんてすぐ閉じてしまうところだが、目に付いたミニゲームのコーナーをクリックしてしまった。

画面が変わると何故だか分からないが『斧投げ』というミニゲームが始まった。

森の中で 屈強な木こり?が商売道具の斧をハンマー投げの如く回して飛ばし、その飛距離で新記録を出せば何かもらえるようだ。

ハ◯パーオリ◯ピ◯クみたいな連打要素とタイミングのゲームらしい。

何かもらえるかは後にして、スタートさせる。

木こりをボタン連打で回転させ、タイミングを見計らってボタンを押し斧を思い切り投げ飛ばす!

斧は勢いよく回転しながら枝を、木を切り倒し(笑)上昇して行く。

これは最高記録出るんじゃないかと思う程飛距離はぐんぐん伸びていく。

が、急に失速すると、ある程度の放物線を描きながら森の中の地面に突き刺さる…かと思いきや、事もあろうにそこにあったのは泉だった。

斧はザパンッ!と大きな音をたて沈んで行った。ゴルフなら間違いなく打ち直しだ。飛距離も…あっ、ミスになってる。こんなトラップがあるとは。

せめて、ここまでの距離の計測はしてほしかった。

まあ、ゲームだし、そこまで気にする事もないか。

などと思っていると、泉が輝き出した⁈

泉がアップ画面になり、水面から白いローブを着た女性が現れた。

あぁ、これはあれだ!女神のやつだ!と思っていると案の定、金の斧を持った女神が「これを落としたのは貴方ですか」と尋ねてきた。

これが、『…もしもの時の…』か? そんなのが頭によぎった。

ここは欲張る為に慎重にならなければならない。ネタ的には『はい』を選ぼうとも思うが、ここは順当に行こう。

画面にある『いいえ』の方を選ぶ。

次に銀の斧に変わり同じ質問をしてくる。

もちろん『いいえ』を。

で、真打ち登場鉄の斧が出てきた。

ここで『はい』を選んだ。

すると女神はにっこり微笑み

「貴方は正直者です。これらの斧を全部あげましょう」

と、言った瞬間、画面に

『隠しイベント発見、そしてクリアおめでとうございます。金、銀、鉄の斧を送らせて頂きます』

と文が表示された。

これって隠しだったんだと思いつつも斧を本当に送ってくるのかという疑問が浮かんだが、斧をモチーフにしたストラップとかなんだろうと思って気にも止めなかった。

何か分厚いパンフレットが一緒に送られて来るんだろうなと思いながらもせっかく貰えるのならと必要事項を記入する。

その後何回か遊んだが、確かに飛距離のみだけだった。

新記録も出ず、何もなさそうなので、そのまま他へ移動した。

次の日。屈強な宅急便の兄ちゃんが何やら大きな箱を持ってきた。

兄ちゃんは軽々と持っていたが受け取るとなかなかの重さだった。

送り主は『泉のヘルメス』。昨日の会社か。

開けると…えっ、本当に金、銀、鉄の斧が入っていた…。

これって送り付け商法とかじゃないよな?そう思いながら斧を見る。

ゲームみたいにいわゆるバトルアックスと言われる物ではなく刃部分は狭い物だ。

しかし、あのバトルアックスって危険過ぎる代物だな。両刃のヤツなんてよくあんな物を持てるな。ああいうのは鞘的な物は無いのか?

ふとそんな事を思ったが三本?三振り?の斧の方に目を遣ると、なんとなくだが光っているように見える。オーラみたいな感じだ。

ゲームで言うとエンチャントウェポン(魔力付与)ってやつが掛けられている状態か?

しかし、どうしよう?斧なんて薪割りぐらいしか思い付かない。思い付いても薪なんてないし。

まあ、検証してみよう。

まずは金の斧だ。これってメッキじゃないよな。いや、メッキじゃない方がおかしいか?

本物として考えよう。

お金の話になってしまうが、やっぱり換金以外思い付かない。あっても鑑賞用だろう。

金の延べ棒程ではないけどこの大きさなら(どの大きさ?)何千万円にはなるはずだ。(相場で換算すればすぐか…。)

実際似たような事を考えている人がいてネットにもいくつか上がっている。

でも、売りにくいな。入手経路と言い絶対疑われるし、もし売れたとして、そんな額一括で支払ってくれるだろうか?

振り込みでも良いんだけど、一度そんな額の束を見てみたいものだ。

次に銀の斧だ。

これも換金用かな?ただ、金と比べると格段に下がってしまう。

同じ重さでも十数万円とかではないだろうか。まあ、酸化して劣化しやすい分保存とかの関係もあるんだろう。

それが無ければ同等とまではいかなくとも、それに近い価値はあるはずだ。

しかし、銀の斧として見た時金の斧と比べると武器としての価値は上がる。

基本的に木を斬る為のものだが、銀には魔を打ち破る効果がある。

銀の弾丸、短剣、燭台…は違うか。

ファンタジーに話を向ければミスリル銀という鉱物も魔力が宿っているかの如く普通なら効果の無いとされている魔物にも先程のエンチャントウェポン無しに威力を発揮する。

だから、魔除けとして置いても良いかもしれない。

そういや金はその輝きで人はおろかドラゴンなんかも魅了する。

ヒロイックファンタジーなんかでヒーローが倒すドラゴンの下に財宝が眠っている伝承も多い。

その中には金で出来たコインや装飾品なども少なくない。

もちろん銀もお宝ではあるが、今現在銀の斧としては魔除けと魔物退治用だな。

最後に鉄の斧。

鉄の斧である。新品らしく刃なんか触ったら手なんかスパッと切れそうである。

やっぱり薪割り…例の山に行ってアウトドアしてみるか?

いや、こんなの持ってたら、スプラッタ映画みたいに思われないだろうか?

そこはさすがに考え過ぎか。

手斧じゃないので、引きずりながら追い回す感じになるのは否めないが。

そうは言ってもこの鉄の斧を含め全部に魔力が掛けられている気がする。

だとしてもこの現代に置いてその辺のところ通常の物より丈夫で長持ちで落ち着きそうだ。

何かの危機の時は△トの剣の時と同じく勇者とかヒーローっぽい人に託して戦ってもらおう。

ふう、検証はこんなとこにしておこう。

しかしまた一つ、いや三つも物が増えてしまった。

送り返そうと思って宅急便の送り状を見るが住所も電話番号もめちゃくちゃだった。サイトも繋がらない。

物が増えてるのは仕方ないのだが、ネコを筆頭に重量があるし、生活空間を圧迫している。

このままでは、床が抜けてもおかしくない。

倉庫でも借りようか?幸い近くにそんなのがあったはずだ。結構な広さのある公園のそばで看板を見たぞ。

申し込もうと思ったのだが、どう運ぶかを(メインはネコ)悩んでいる。

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