第9話
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64567303.html
巨大な扉の奥は、無機質な地下空間が広がっていた。
「うぅ、なんか気味悪いよ……」
「でも、人どころか魔物もいないね。折角武器持ってきたのに」
「とりあえず、もうちょっと進んでみよ」
4人で奥へと進んでいく。
まるで迷路のような構造をしている。一体誰が何のために作ったんだろう?
そして奥には……何があるんだろう?
そんなことを思いながら、かれこれ15分くらい歩いた。
未だに何にも会わない。というか、気配が全くしない。
「もー! なんなのよこれ。わざわざ意味ありげに入口隠しておいて、何もないじゃんか!」
「落ち着いてフィーネちゃん。もしかしたら、過去に使われてて今使われてないだけかもしれないよ?」
「なら猶更許せない! こんなところまで来させたんだからなにか出て来い~!」
「そうだそうだ~! ここまで来たんだから何かちょうだい~」
メーノはあんなこというが、フィルはノってくれた。やっぱフィルはわかってるな。
「……! みなさん、構えてくださいっ!」
「えっ? えっ?」
いきなり静かなルーシーが大声出したもんだから驚い……
「ギュオオオオオオオオオオオオオ」
ドーン
いきなり私たちの前に、サイを巨大化したような大型の魔物が現れた。
「ふふふ、やっときたわねっ!」
「フィーネちゃん、喜ばないでよ……」
「フィル、相手をかく乱して! スキを見て頭斬りおとす!」
「わかった! いくよーっ!」
フィルが魔物の前に立ち、もちまえのフットワークであっちへこっちへ。大型だからか、魔物はフィルの動きにまったくついていけない。
「今だっ!」
魔物の死角から飛び出し、首をいっせ……
カーン
「う、嘘!?」
私の斬撃がはじかれた!? 首には傷一つないし!
私の方を向いた魔物。即座にバックステップで退避。
「ルーシー、確かハッキングで敵の弱体化とかできるんだよね?」
「……はい」
「お願いできる?」
「……わかりました。ハッキング開始……!」
扉の時のようにパソコンのようなものがルーシーの周りに出現する。
そして、そのパソコンのようなものからコードのようなものが飛び出し、魔物に突き刺さる。見た感じ、ダメージを与えたのではないようだ。
「肉体の弱体化を行う」
ルーシーがパソコンのようなものをものすごいスピードで操作する。これが「ハッキング」なのだろう。私にはよくわからん。
「……? ハッキングが効かない……?」
「え」
「……理由はわかりませんが、ハッキングが効かないみたいです」
「えぇ~……」
ダメじゃん! まぁ魔法を応用したものだから、効かない可能性もあるか……。
「ふぃ、フィーネ。ちょっと疲れてきた……」
まだ魔物をかく乱してくれてたフィルにこれ以上無理させるのは危険か……。
「メーノ、周りを壊さない程度でおもいっきりお願い!」
「うん! フィルちゃん、合図したら離れて!」
「わかった!」
メーノが詠唱を始める。これはマジだ。
「フィルくるよ!」
メーノのことなら大体わかる私が、メーノの代わりにフィルに合図。
「よっと」
魔物から一気に距離を取るフィル。
「喰らえっ!」
そしてその直後、メーノが強力な魔法を放つ。
どおおおおおおおおおおおん
その威力はかなりすさまじく、すごい砂煙が舞う。
「ちょっとメーノ! 周り崩れそうじゃん! 壊れない程度って言ったでしょ!?」
「これでも抑えた方だよ!」
「まあまあ。とりあえずこれで仕留められ……あれ? ルーシー、どうしたの?」
1つにしたパソコンのようなものを操作していたルーシーがプルプル震えている。
「……みなさん、今すぐ逃げましょう」
「え、どうして?」
「……敵の生体反応、まだ存在してます!」
ちょうどその時、砂煙が止んだ。そしてそこには……
「ギュオオオオオオオオオオオ」
「無傷の」魔物が鎮座していた。
今後の作品・ストーリーの参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!