第7話
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64546110.html
私の赤いベレー帽は、とても大切なもの。
ある人からもらった、とても大切なもの。
私用に様々な調整がなされてて、今まで寝る時とお風呂の時くらいしか外したことがない。
それくらい、気に入ってるもの。
だから、一部でもなくさないように気を付けてたはずなのに……っ!
「ふぃ、フィーネちゃん……」
無言で探し回る私をみて、流石のメーノも心配なんだろう。
過去にもなくしたことがあって、その時も心配かけちゃったな。
「ここにもない……」
あの時はちょっとしたことで珍しく外してしまい、そのまま風に飛ばされたんだっけか。
見つかったのは夜中だったかな。メーノはずっと付き合ってくれた。
「あの……どうかしたんですか?」
突然、見知らぬ少女に話しかけられた。多分中等部の子だろう。
私みたいな綺麗な黒髪だけど、サイドポニーにしている。
「あ、えっと……」
たまたま通りかかった少女がポンポンのありかを知るわけがない。
とは思ったけど、今はわらにもすがりたい気持ち。一か八かで訊いてみよう。
「このポンポンと同じものをどこかで見なかった?」
「あ、それあなたのだったんですね!」
「えっ、見たの!?」
「はい。えーっと……たしか、あっちの方に飛んで行ったと思います」
彼女が指さす先は、学園の中にある少し深い森。
特に行事とかで使われることもないので、6年間通ってても奥まで行く事はほとんどない。
「だいぶ大雑把でごめんなさい」
「いえ、貴重な情報ありがとう。メーノ、行くよ!」
「うん」
私たちが森へ入っていったあと、少女が笑っていたことをその時は知る由もなかった。
森へ入った私たちは、手分けして探す。
しかし、そこそこ広い森。2人で探すのはかなり厳しいものがあるのはもちろん、もうすぐ日が暮れる。そうなると、見つけるのはかなり難しくなるだろう。
1時間ほど探し回るも、見つからない。一度メーノと合流。
「どう?」
「ごめんね、見つかんない」
「メーノが謝ることないよ。私の不注意」
「うん……でも、1個だけそんな簡単に取れちゃうかなぁ?」
「そこは私も気になってた。でも、まずは見つけなきゃ」
さらに1時間。もう日も暮れた。
「クソ……っ!」
「フィーネちゃん……」
「……メーノは、ご飯食べてきな。私はまだ探すから」
「ううん、私も探すよ。フィーネちゃんを見捨てることなんてしないもん」
「メーノ……」
「ほら、もう見てないところは少しだよ。探そ?」
「うん」
2人で調べ回って、ついに最奥だけとなった。
正直、風で飛ばされたら今まで探してたところに行っちゃってるかもしれないし、何より本当にこの森にあるのかも怪しい。
でも、なんだろう。この森に絶対ある気がする。
「あとは最奥だけ……」
「何があるかわからないから、魔法の準備しておくね」
メーノは素手でも十分すぎる魔法が使える。今武器を持ってないから、メーノの魔法だけが頼りだ。まぁ私も素手で戦えなくもないけど。
最奥へと足を踏み入れる。
そこにあったのは、小さな祠だった。高さは私の身長くらいだろうか。
「祠……?」
「あっ、フィーネちゃん! あそこにポンポンが!」
メーノが指さす先、祠の前にポンポンがあった。
駆け寄る私たち。さっそくポンポンを……
「あれ? 紐の部分が祠の石に挟まってる」
「なんでだろう? 誰かが飛ばないようにしてくれたのかな?」
「んー、でもこんなとこ来る人いないと思うけどなぁ」
「そうだね……」
「まあ見つかったんだしなんでもいいや。石どかそう」
ポンポンを潰さないように、石を動かす。メーノも手伝ってくれたが、あなた非力でしょう。
石をどかして……
「「!?」」
石をどかしたら、なんと祠の内側には地下へ続く階段があった。
とりあえずポンポンを拾う。
「祠かと思ったけど……地下への道をカモフラージュしていたようにしか思えないね」
「うん。でも学園内になんでだろう?」
「わかんない。とりあえず、今日は石を戻して引き上げよう。明日ちゃんと武器を持って、もう一度来よう」
今後の作品・ストーリーの参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!