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終ノ少女  作者: 終花みずき
終ワリノ始マリ ~入学式~
3/146

第3話

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64503785.html

「それじゃあ、このクラスの説明をする前に、まずは君たちにも自己紹介をしてもらいましょうか。えーっと、じゃあ廊下側から」

 廊下側……ということはメーノからだ。

「えっ、私から?」

「そうよ。ほら、前に出てきて」

「はい……」

 うーん、メーノはこれでも引っ込み思案だから、前に出て、なんて苦手だろうなぁ。私の前ではまったくそんなそぶりないけど!

「……メーノです。さっき先生も言っていた通り、大魔法使いって言われてます……自覚ないですけど」

 嘘つけっ! って言いたいところだけど我慢。

「趣味は料理です……。フィーネちゃんとは幼馴染です……。こ、こんなもんでいいですか?」

「まぁいいわ」

 安堵して席に戻ろうとするメーノ。と、突然

「じゃあ質問ある人挙手!」

 と先生が言いだした。

「はいっ!」

 しかも、待ってましたと言わんばかりにオレンジ髪の活発そうな少女が挙手。渋々メーノは前に戻っていく。

「はい、どうぞ」

「どの程度の魔法まで使えるんですか?」

「うーんと……それなりの時間の詠唱が必要な魔法くらいかな?」

 嘘つけっ! ああもう我慢できない!

「メーノ、嘘つきすぎ! 世界で数人しか使えない魔法を初等部の時に使ったの、知ってるんだからね!?」

「ふぃ、フィーネちゃん!?」

「すごーい! ねえねえ、今度見せて!」

「あ、う……。き、機会があったらね……」

 そう言って、メーノはふらふらと席に戻り、そのまま机に突っ伏した。


 続いて私の番。メーノはまだ突っ伏している。

「えー、なんだか有名みたいだから多分知ってると思いますが、私がフィーネです。中等部の時、剣技の大会で3連覇しました。将来はトップクラスの冒険者になりたいです。以上!」

「はい、じゃあ質問ある人どうぞ」

 と、手を挙げたのは意外なことにシオンだった。

「はい、どうぞ」

「なぜお前が私と同じクラスなんだ?」

「え、えー……」

 シオンさん、流石にその質問はないでしょう。そこまで私を目の敵にしてるの……?

 先生も流石に困っているじゃない。

「……知り合いなんですか?」

 小柄でちょっと暗めな子が私に訊いてきた。

「ああ、うん。中等部の時、何かと私に対抗してきたっていうかなんというか」

「結果は?」

「……私の全勝」

 この話を聞いて、暗めな子も活発そうな子も納得したようで、これ以上何も言わなかった。


 続いて3人目、活発そうな少女。

「はいはーい。あたしはフィル。実家は道場を営んでて、私も格闘技が超得意!」

「あ、去年の格闘技の優勝者フィルってあなただったの」

「おお! フィーネさんに知られてたなんて嬉しいなぁ~」

 剣技の大会があれば、格闘技とか魔法とか様々なジャンルの大会もある。大体決勝は同じ日に行われるので、ちらっと聞き覚えがあった。

 とはいえ、剣技はもっとも盛り上がると思われてるのか、いつも一番最後。試合に間に合えばいいので、私はいつもぎりぎりに行くから他の試合は見たことない。

 ちなみに、私の自己紹介が終わったとたん机に突っ伏すのをやめたメーノは、大会に出ていない。規格外すぎるのもそうだが、何より本人が恥ずかしがりやだからだ。

「今回、精鋭クラスに入れて、さらにフィーネさんと同じクラスになれてとてもうれしいです! みんな、よろしくねっ!」

 教室に入ったときもそうだったけど、彼女はシオンとは逆の方向で私を意識してるみたい……? なんでだろう。

「じゃあ質問ある人~」

「はい」

 折角なんで私から質問を。

「お、フィーネさんから質問だ。やったね」

「よろしくね~。で、私から聞きたいことは、格闘技以外に得意なことはあるか、なんだけど」

「んー。実はね、治癒魔法が得意」

「「「えっ!?」」」

 あまりに以外過ぎて、私だけでなくメーノと先生も驚いた。暗めの子も声は出さなかったもののちょっと驚いた様子。シオンは興味がないみたい。

「いやー、あたししょっちゅう怪我するからね。親に『人様に迷惑かけないように自分の怪我くらい自分で治せるようにしなさい!』って言われて。それで覚えたら意外とあってたみたい」

「それはびっくり。冒険でも役立ちそうだね」

「わわっ、ありがとうございます!」

 うーん、なんか尊敬レベルな気がするなぁ……。同い年なんだし、もっと気楽でいいのに。


 続いて4人目。小柄で暗めな子だ。

「……ルーシーです。魔法を応用した、ネットワークシステムの研究に、携わっています」

「魔法を応用したネットワークシステム? パソコンとかとどう違うの?」

「……細かい話すると、数時間かかるけど、いい?」

「こ、今度にしておきます」

 ちょっと気になるけど、まぁ今度時間のある時でいいや。

「……私は、そのシステムを戦闘に使えるか、テストするために、派遣されました。きっと、みなさんの役に、立てると思います。」

「彼女がやってる研究は、戦闘だけじゃなく日常生活にも役立つ可能性があるって言われてるからね~。みんなもこの先お世話になるかもしれないから、仲良くしときなさい?」

 先生が簡単に補足してくれた。……最後の一言が余計だったけど。

「それじゃあ質問ある人」

「はい」

 メーノが手を挙げた。自主的に何かを言いにいくなんて珍しい。

「その……服装とかぬいぐるみとか、好きなんですか?」

「……うん。全部、手作り」

「わっ、すごい! 今度教えてほしいな」

「……いいよ」

 ほとんど無表情から変わらなかったルーシーが、少し微笑んだような気がした。もしかしたら、メーノといい関係になれるかも。


 で、最後。

「シオン」

 とだけ言って、彼女は席に戻ろうとする。

「こら、もうちょっと何か言いなさい」

 これは流石に先生に怒られた。

「そう言われても、何もないですし」

「シオン、すごいスピード早いじゃない?」

 ギロッ

 う、助け船出したつもりが睨まれた……。

「……まぁ、どんな早い敵でも追いつけると自負はしてる」

「ねえねえ、今度あたしと勝負してみない?」

 そう言いだしたのはフィル。まぁ受けないだろ……

「いいよ。その挑戦受けてあげる」

「やたっ」

 意外。どうしたんだろう?

「えーっと、質問……といきたいところだけど、ちょっと時間が押してるから、あとは自由時間に各自交流ってことで。それじゃあそろそろ、『精鋭クラス』について説明しましょうか」

今後の作品・ストーリーの参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!

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