第2話
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64493173.html
形だけの入学式が終わり、私とメーノは精鋭クラスに用意された教室へ向かう。
入学式は来た順に座らされていくため、他の3人とは会えなかった。
「一人は知ってるからいいとして、残りの二人はどんな子だろう?」
「フィーネちゃんみたいなのじゃなければいいなー」
「ひどい!」
そんな会話をしながら、他のクラスとは少し離れたところにある教室に到着。
「じゃあ開けるよ?」
ガラガラ
私がドアを開けると、そこにはすでに他の3人がいた。まぁ私たちが出たの結構遅かったし、予想はしてたけど。
「……残りの二人、だね」
「おー、本物のフィーネさんだ!」
「ふんっ」
真っ先に反応したのは金髪縦ロールの小柄な子。頭に小さな王冠のようなアクセサリーをつけ、服装はゴスロリみたいなので、なぜか手に不気味なウサギのぬいぐるみを持っている。ちょっと暗そう。
続いて私の名を呼んだ子は、オレンジ色の髪をした活発そうな少女。はて、どこかで見たような……?
最後に愛想の悪い彼女は、シオン。私と同じ黒髪だけど、ショートにしている。なんで知っているかっていうと、中等部の時なにかと私に対抗してきたから。
「シオン、久しぶり。そちらのお二人ははじめまして」
「はじめまして、お二人さん」
「……はじめまして」
「よろしくー!」
「なんでお前と同じクラスなんだ……っ」
うん、なんだかとても個性的なメンバーが集まった気がする。
「さて、五人集まったし自己紹か……」
「おー、みんな集まってるね!」
自己紹介でも始めようかと思った矢先、ドアを開けて1人の女性が入ってくる。
「あの、どちらさま?」
活発そうな少女が尋ねる。
「こらこら、ここは学校だぞ? 私が誰かくらいわかるだろう」
「あー、先生か」
「そーいうこと。ほら、みんな席に座る!」
先生だと名乗る女性に促され、私たちは既に用意されていた席にテキトーに座る。
廊下側から、メーノ、私、活発そうな少女、ちょっと暗めな少女、そしてシオン。何が何でもシオンは私と距離をとりたいらしく、真っ先に私と逆側に動いてた。
「はい、みんな席についたねー。それじゃあまずは私の自己紹介から始めましょうか」
そう言いながら、黒板に自分の名前を書いていく。
「私はプレスト。精鋭クラス発足にあたって、今年度から教師として招かれた元冒険者よ」
「あー!」
その名を聞いて、ついつい叫んでしまった。
「ふぃ、フィーネちゃんどうしたの!?」
「私聞いたことある。史上最強の冒険者の一人、『神速のプレスト』って先生のことでしょ!?」
『神速のプレスト』……数年前に突如現れた姿の見えぬ魔物。姿が見えなかったのは超絶的な速さを持っていたからだが、彼女はそれに追いついて討伐したっていう逸話から付いた呼び名。
「あら、よく知ってるわね。そういうあなたは『若き大剣豪フィーネ』さんかな?」
「うっ、その呼び名嫌いなんだけど……」
私の呼び名『若き大剣豪』は、中等部時代出場した剣技の大会に全てで優勝しちゃって、大きな大会の時に誰だか実況の人が言ったのが始まりらしい。私は嫌いだけど。
「しかもその横にいるのは『億に一人の大魔導士メーノ』さんかな?」
「ええ……まぁ……」
メーノの呼び名『億に一人の大魔導士』は、言葉の通りの意味。通常の人よりも膨大な魔力を持っていて、大魔法すら詠唱せずに発動できる。まぁ「億」が一億年なのか一億人なのか、私は知らないが。
「他の3人も大舞台で名前こそ聞かないものの、噂にはなるような子たちばかりだね。ふふふっ、精鋭クラス、なかなか楽しませてくれそうじゃない」
うーん、流石精鋭クラス。最強の冒険者を講師につけるとは。いくらお金出したんだろうね、まったく。まぁそれだけ私たちを鍛え上げてくれるってことでしょう。
ところで、他の3人……シオンは知ってるから他の2人も、何か一般人以上の特技があるみたいだけど、一体なんだろう?
今後の作品・ストーリーの参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!