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出会い
灰で汚れたような重たい雲に覆われた天を、辛うじて開いた目で見上げた。
とても寒い。
僕はやっと死ねるのだろうか。
ダウンタウンの汚い片隅で、ゴミの様に。
僕は動かない。
痛む体を動かして、行く所もない。
だから、僕は動かない。
「おい。大丈夫か?」
聞き間違いかと思った。
だって、そうだろ?
僕は、ゴミだよ?
ゴミに話かける事なんてないだろう、普通。
まぁ、僕の場合、普通っていうのが解らないけど。
僕は、霞む目で話し掛けてきた人をなんとなく見た。
ぼやけて、あんまり良く見えなかったけど、僕を殴らないみたいだ。ちょっとだけ安心した。
死んじゃってもいいけど、やっぱり痛いのは、怖い。
その人は、動かない僕に手を差し伸べてくれた。
重たい天から、白い雪がちらつき始めていた。




