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決別
僕は、解ってしまった。
今が最後の時なのだという事を・・・。
あの人が真直ぐに僕を見て、僕の頬を優しく撫でた。
僕は、我慢をしていたのに。
堪え切れなかった涙が一粒・・。
零れてしまった。
僕は、あの人に言った。
「いつか、生まれ変わったとしたら・・・。
痛そうに笑わないで。」
あの人は、ちょっと驚いた顔をした。
そして、ゆっくりと愛おしいものを見る顔で、
僕を見つめ、ああ。と頷いた。
あの人は、自分の愛用の短剣を腰から外すと、僕に手渡した。
僕は、それを受取る。
あの人は、力強く頷いた。
僕は、うまく頷けただろうか。
最後に僕は、あの人の大きな、温かな手に頬を擦り寄せた。
この温もりを忘れないように。




