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遭遇
あの人が探していた”ヤミ”を見つけた。
あの人の大切だった人。
”ヤミ”は、泣いているように見えた。
襲いかかってくるのに、泣いている。
助けを・・・求めてる?
「やっと、見つけた。
これで・・・、これでやっと。」
あの人の頬が光ったように見えた。
けれど、それは一瞬で判らなくなった。
あの人は、”ヤミ”を仕留めた。
あの人は、”ヤミ”の心臓を抉りながら、遅くなってごめんと言った。
あの人は、襤褸切れのようになった。
手強い相手だったから。でも、あの人は、躊躇わなかった。
あの人は、笑っていた。
痛そうな笑顔ではなくて。
本当の笑み。
僕が初めて見た、心からの笑みだった。




