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不変の部屋  作者: 瑞雨
49/50

49 不変の部屋



私はメリー、18歳。



ううん、あれから更にまた9年が経っているから、私は・・・36歳ね。

見た目は18歳なのに、年は36歳ってなんだか不思議だわ。

若づくりって思われないかしら?



ふふ!でも誰も私の姿が見えないから大丈夫よね。



姉さんは私の部屋を7日に1度掃除する。

まるで私がいた形跡を残すかのように。




けれど、私はもうそんな姉さんを見ても憎らしいと思うことはない。



そして相変わらずいくら私が呼びかけてもそれに応えることはない。

姉さんは決して振り返ってはいけないし、ほんの少しも私の言葉に耳を傾けてはいけなかった。



なぜなら私は死んでいて、その姿が姉さんには見えなかったから。

それでも私は変わらず、毎日川へは足を運ぶし、帰ってきたら「ただいま」って姉さんに声をかける。そして、




「今日はね、とても良い天気で、森の小さなお友達も嬉しそうだったわ」



と言葉を続ける。


姉さんが私の声に反応しなくても、私が悲しくなることはなくなったし、むしろ以前よりももっと姉さんに話しかけるようになった。

そして姉さんが偶然私の方を見たときは、私の声に反応したのね!と思って笑う。





姉さんは私を愛していた。

私もそんな姉さんを愛した。




私の部屋は変わることを知らないかのように、依然そのままで、

姉さんは変わらず豆を選り分けて、一人で家に住んでいる。




そしてチロは・・・








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