医療の闇と血液検査
ただ単に自分で決めているルールなのだけど、僕は年に2回献血をする事にしている。ただ、流石にコロナ禍の中では躊躇してしまって、医療関係者がワクチン接種をし始めた頃に献血がピンチという噂を聞いて一度行った後は、中々献血ルームに足を運ばず、ワクチン接種を終えて一か月以上経ってからようやく献血をしに行った。
本当はコロナ禍で一番大変そうな時期に行くべきだったのかもしれない。
まぁ、何にせよ、それで僕は献血に行ったのだけど、その時に看護師さんから、「全て適正値です。素晴らしい」と言われた。なんだかちょっと嬉しくなってしまう。
その前に血液検査をしていたおじさんがどうやら適正値ではなかったらしく、検査後に退室していったから、きっとそれで看護師さんはそう言ってくれたのだろう。
そして、僕はそれを聞いて、健康診断の血液検査の結果を思い出してしまったのだった。
実はコレステロール値が、少しだけ適正値よりも多かったのだ。ただ、毎年二回受けている献血での血液検査では問題がない。だからそれは何かの間違いではないかと僕は疑っていたのだった。
医療というのは一つのブラックボックスだ。専門家である医師らの意見を僕らは信頼するしかない訳だけど、果たして、何かしら邪な事をやっていないと言い切れるのだろうか?
例えば、やや悪い結果を診せておいて不安を煽り、高い料金の検査を受けさせようとしていたりだとか…… ちょっと考え過ぎかもしれないけれど。
日本は医療制度が充実した社会だと言われている。しかしだからこそ膨大な金額が蠢いていて、色々と不穏な話がある。
かなり古いけど、最も衝撃的だったのは、薬害エイズ事件だろう。エイズウィルスが入った血液製剤を、それを知った上でビジネスを優先させた厚生省や医療機関が市場に流通させてしまったのだ。
高血圧に関しても半ば陰謀論のような噂がある。
本当は高血圧の全てが健康に悪影響という訳ではなく、中には体調にとって意味のある“高血圧”もある。その高血圧を薬によって無理矢理に下げてしまうと、却って健康を害してしまう危険性すらあるのだという……
では、何故、医療団体の多くが「血圧を下げろ」と訴えるのかと言えば、それによって血圧を下げる薬が売れるからなのだそうだ。
もちろん、繰り返すけど、これは単なる噂で真偽のほどは分からないのだけど。
その他にも、脳ドックは実は無意味だけど、脳外科医の為に行われるようになったとか、希少疾患の薬に高値をつける制度を実現したところ、製薬会社が利益を狙って、希少疾患の創薬ばかりを行うようになったとか、様々な話がある。
また、逆に、アルツハイマー病の治療薬や予防薬が作られたら、医療財政が耐え切れないので承認されないかも…… なんて話も。
――献血の日からしばらくが経って、血液検査の結果が送らて来た。僕はコレステロール値が正常値である事を期待して紙をめくる。健康診断の結果は間違っていると思いたかったからだ。
が、
「あれ?」
と、僕はその結果に首を傾げた。
コレステロール値が、わずかではあるけど、正常値を超えていたからだ。
――そう言えば、コロナ禍で在宅勤務が増えて、やや運動不足になっていたし、近くに弁当屋がないものだからコンビニで買っているのだけど、つい毎日ついでにおやつを買ってしまっていたかもしれない。
「おやつは二日に一回にしておくべきかも」
なんて、それで僕は思ったりした。
……まぁ、怪しい噂があるからといって、なんでもかんでも疑うのはよろしくない、な。うん。