起きたら知らない場所にいた
目を覚ますと、私は自然がたくさんある場所にいた。ここは一体何処だろうか?もしかして、本を読んでいるうちに寝てしまったのだろうか?だったら速く起きないといけないな。
けど、目の前に広がっている景色はとてもリアルで、夢特有のほわほわした現実味の薄い幻想的な光景ではない。何処にでもあるただの森だ。
そこで、私の脳裏に一つのワードが横切った。もしかして、私は異世界転移をしてしまった?ライトノベルの主人公みたいに、何か特別な理由があってここに来たとか?
まあ、そんなはずはないか。私はただの猫好きな中学生だし。主人公なんかになれるはずはないし、なりたくもない。
だって、本当にそっち系の主人公は死にかけたり大怪我をしたりする事が多い。
まあ主人公補正で結局死なないんだけどさ。いっそのこと死んじゃった方が良さそうっていう位痛々しい怪我をしたりするじゃん。だから、絶対に嫌だ。
まあ、どうせ夢だろうし。ちょっと周りを探索してみるか。どうせ、すぐに覚めるか起こされるかするだろう。
『みゃー』
ん?なんか猫の声がする何処、何処!?周りを見渡してみると、私の足元に小さな子猫がいた。この子、どっかで見覚えが…と思ったら、トーニじゃない!?
トーニは三毛猫の女の子で、私は全ての柄を記憶している。しかも、首についている首輪は私がおこづかいをためにためて買ったブランドの首輪だ。
「なんでお前もここにいるの?その前に、まずここどこだか知ってる?」
言葉なんて伝わるはずないけど、私は聞いてみた。だって、本を開いたらいきなり知らない場所にこれるんだから、猫が喋れたっておかしくないはずだ。
『みーみー』
スカートの裾を引っ張るトーニ。まるで、こっちに来てと言っているようだ。
「そっちに何かあるの?」
私がそう訪ねる。すると、トーニは一言鳴いた。
『みゃー』
そうだよ、見たいな感じかな?とりあえず、ついていってみよう。