1.時間制限に気付きました
ノリって大切。
目が覚めた途端、大絶叫したのがこちらです。
「お嬢様!ようやく目が…!」
安堵の表情を見せる侍女。幼い頃から迷惑かけて…スマンね。
「全く…あれ程、屋敷を走るなと…。」
バカ娘と揶揄しながらも、心配と安堵で涙をにじませる母。ええ、本当に馬鹿ですよ。
「…大丈夫か?私達の事は分かるか?」
眉を下げ、心配そうな父。
…イケメンに美女揃い…流石乙女ゲーの1キャラクター…福眼、感服…。おっと、いけない。思わずトリップする所だった。
「ええ、大事ですわ。モルガ母様、ヘリオ父様…エメルダも、ごめんなさい。」
こんなにいい家族に囲まれて…どうして悪役なんてやってたんだ、ゲームのマリン!
…あぁ…完璧令嬢だった上に、ゲームでは完璧過ぎて放置されてたから、何してもお咎め無しの勘違い馬鹿だったのね…。
だから「婚約者は、殿下。殿下は自分の!」みたいな、独占欲の塊で虐めて結局ざまぁ展開…。
眉を下げ、心から今までの謝罪をする。
するとどうだ、周りが逆に沈む。
「…嘘だ…マリンが謝罪なんて…。」
「あぁ…貴方…マリンはもう駄目みたいだわ…。」
「お嬢様…お痛わしや…。」
うん?待って。思ってた反応と違う。もっとなんか、こう…わーい起きた、やったー!みたいにサラッと行くのでは!?
「ちょっと!私だって謝罪だってできるわ!もう、15よ!?立派な令嬢なのよ??」
「そっ…そうよね!廊下を走って転んで頭をぶつけても、謝罪くらいはできるわよね!…って、普通の令嬢は、廊下を走らないわ!!」
「おっ…お母様、素敵なノリツッコミ。キッレキレですわ!」
「マリン、そこじゃない。」
思わず家族漫才。…あれ…ゲームではこんなアットホームだった記憶は…よくある誤差よね。だって私はゲームのアクアみたいに完璧じゃないもん。 放置なんてされるわけがない。
「ご無事で何よりですわ、マリン様。」
「エメルダ…。」
流石エメルダ。私の事をしっかり考えてくれてる。良き侍女、侍女の鑑…。
「1週間後の御卒業パーティにも、問題なく参加できますわね!」
「ええ、そうね。無事、卒業パーティにも――」
うん?待って!卒業パーティが1週間後!?
ー 卒業パーティで婚約破棄
えーっと…王手?チェックメイト?ウノ?…あれ、これ詰みじゃない?
皺の無い…いや、少ない脳みそをフル回転させながら打開策を考える。1週間…168時間…10080分…604800秒…って計算してどうする!”やっても意味ない“だろ!!
「お…お嬢様?」
…いや、待って。待って、待って!そうよ、卒業パーティなんて、やっても意味ないのよ。…つまり、“そもそも卒業パーティに出ない”って言うのはどうだろうか?
「…そうよ、完璧よ…。」
殿下になんて、私は未練なんて更々無いから、パーティに出て否定する必要が無い。婚約破棄されても、せめて公衆の面前でなければ、家や私の体裁は保たれる。
ニヤリと口角を上げる。あれ?今の私、悪役っぽくね?悪役令嬢だったわー!
そうよ、前提がおかしいんだわ。パーティに出て婚約破棄宣言されるのなら、出なければ良いのよ!
うわっ…もしかして、私って天才…?ノーベルもビックリレベルでしょ、これ!この世界に、ノーベルなんて偉人居ないけども。
ならば…かくなる上は…
余談:名前について
主人公:マリン・アクア・ベリル
→アクアマリン
父:ヘリオ・ナイト・ベリル
母:モルガ・ドール・ベリル
→モルガナイトとヘリオドール
侍女:エメルダ
→エメラルド
全て、ベリル系の鉱石です。
名前が思い付かなかったら、石か花か鳥!便利!!




