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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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クリスマスの日(1)

 次の日。

 そう、世間で言うところの『クリスマス』だ。


 片想いの人がいて、その人には好きな人がいるっていう浩ちゃんと、遠距離恋愛中で昨日千葉県の職場の寮に帰っていった彼がいる私。


 ふたりともクリスマスは好きな人とは過ごせない。

 寂しいもの同士、それなら一緒に過ごそうということになったわけだが。




 きっと昨日の彼女が浩ちゃんの片想いの相手、憧れの君なんだろうな。

 さっきからずっと、しなくてもいい言い訳を一生懸命しているけれど。

 私たちはただの友人なんだから、そんなに力を込めて言い訳する必要もないのに。

 別に彼女だってなんだって、私には関係ないこと。


 昨日のお連れさまは学生時代の後輩だとか。妹みたいな存在だとか。

 一生懸命言い訳をしている。それ、昨夜の電話で、もう聞いたよ。


 何度も聞く度にその言い訳を適当に受け流してはいるものの、でも実はほんの少しばかり気にはなる。

 この感情がどういうものなのかは、はっきりとは解らない。

 でも、言い訳を聞いているともやもやするし、だんだんと腹立たしくも思えてきたりする。


 私に一体なにを求めているの?

 その必死な言い訳を聞いて、どう答えろっていうの?


 苦笑いを繰り返すしかないじゃん。


 第一、なんのために私に言い訳をしているんだか。



「もういいよ」


「え?」


「もういいよ。そんなに言い訳しなくても。浩ちゃんが誰を好きで、どうアプローチしようと私には関係ないことだから」


 イライラして、つい言ってしまった。


「え、ああ、そうだね」


 一瞬引きつった浩ちゃんの顔を見て、とっさにフォローしたけれど。


「あ、これからも相談にはのるけど」


「……うん」


 明らかに落ち込んだ様子を見せる彼。


 ……。


 ううっ、こういうとき、年下って得なんだよな。

 ついつい構いたくなってしまう。

 落ち込んだ様子も、頼ってくる態度も全て可愛く感じてしまうのだから。


 同じ年以上なら頼りなく思えるような行動でも、母性本能をくすぐられるとでもいおうか、放っておけなくなってしまう。

 その上、他の人が誰でもするようなごく当り前の言動も、年下だと思うだけで、『ほう~』と感心してしまう。しっかりしているように思ってしまうから不思議。


 実際、浩ちゃんのように年下なのに、話していると年上に感じるくらいの人もいるわけで。

 そんなときはちょっときゅんとしたりもするわけで。

 そんな年下クンが今度は可愛いそぶりをみせると、またまたお姉さまはきゅんとしてしまうわけで。




 思わず、 

 

「ごめんごめん」


 そう言って頭をポンポンしているなんて。



お読み下さりありがとうございました。


次話「クリスマスの日(2)」もよろしくお願いします!

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