クリスマスの日(1)
次の日。
そう、世間で言うところの『クリスマス』だ。
片想いの人がいて、その人には好きな人がいるっていう浩ちゃんと、遠距離恋愛中で昨日千葉県の職場の寮に帰っていった彼がいる私。
ふたりともクリスマスは好きな人とは過ごせない。
寂しいもの同士、それなら一緒に過ごそうということになったわけだが。
きっと昨日の彼女が浩ちゃんの片想いの相手、憧れの君なんだろうな。
さっきからずっと、しなくてもいい言い訳を一生懸命しているけれど。
私たちはただの友人なんだから、そんなに力を込めて言い訳する必要もないのに。
別に彼女だってなんだって、私には関係ないこと。
昨日のお連れさまは学生時代の後輩だとか。妹みたいな存在だとか。
一生懸命言い訳をしている。それ、昨夜の電話で、もう聞いたよ。
何度も聞く度にその言い訳を適当に受け流してはいるものの、でも実はほんの少しばかり気にはなる。
この感情がどういうものなのかは、はっきりとは解らない。
でも、言い訳を聞いているともやもやするし、だんだんと腹立たしくも思えてきたりする。
私に一体なにを求めているの?
その必死な言い訳を聞いて、どう答えろっていうの?
苦笑いを繰り返すしかないじゃん。
第一、なんのために私に言い訳をしているんだか。
「もういいよ」
「え?」
「もういいよ。そんなに言い訳しなくても。浩ちゃんが誰を好きで、どうアプローチしようと私には関係ないことだから」
イライラして、つい言ってしまった。
「え、ああ、そうだね」
一瞬引きつった浩ちゃんの顔を見て、とっさにフォローしたけれど。
「あ、これからも相談にはのるけど」
「……うん」
明らかに落ち込んだ様子を見せる彼。
……。
ううっ、こういうとき、年下って得なんだよな。
ついつい構いたくなってしまう。
落ち込んだ様子も、頼ってくる態度も全て可愛く感じてしまうのだから。
同じ年以上なら頼りなく思えるような行動でも、母性本能をくすぐられるとでもいおうか、放っておけなくなってしまう。
その上、他の人が誰でもするようなごく当り前の言動も、年下だと思うだけで、『ほう~』と感心してしまう。しっかりしているように思ってしまうから不思議。
実際、浩ちゃんのように年下なのに、話していると年上に感じるくらいの人もいるわけで。
そんなときはちょっときゅんとしたりもするわけで。
そんな年下クンが今度は可愛いそぶりをみせると、またまたお姉さまはきゅんとしてしまうわけで。
思わず、
「ごめんごめん」
そう言って頭をポンポンしているなんて。
お読み下さりありがとうございました。
次話「クリスマスの日(2)」もよろしくお願いします!




