3連休なクリスマス(3)
駐車場で誘導員の指示に従って車を止める。
エレベーターに乗り上階を目指す。
ここはこの辺りはもちろん、海外でも有名なようで観光客で賑わう場所。
そう、上階の展望テラスからは、この大都市が一望できる。
今日は天気も良いので遥か遠くの山々、海まで見渡せる。
空気が澄んでいるこの時期ならではの絶景だ。
いつもこのビルの近くは通るが、実際に中に入って展望テラスに来るのは初めて。
あ、あれはあの場所、あそこはあの建物、と知っているところを見つけては、はしゃいでいるふたり。
そして記念にと写真をパチリ。
「今の、もう一回撮りなおして」
「え、なんで?」
「だって、前髪が……」
「ん? 可愛く撮れてるよ」
前髪は大事。女子には大事なの。
「ダメ! もう一回!」
てな感じで何枚かパチリ。
でも、かしこまって澄ました顔で写すのもいいけど、大笑いしていたり、ちょっとふざけたりしている写真も、後で見返すと楽しい想い出が蘇るから、それはそれでいいと思う。
流石、クリスマス・イヴだけあり、カップルの多いこと。彼らは、もうふたりだけの世界に入っている。
そんなカップル達を横目にはしゃいじゃってる私たちって……なんだか子供っぽい。
でも、それが楽しい。
そこの展望テラスに小一時間もいただろうか。
来た時は、エレベーターに乗るのにも30分以上待っていたから、帰りもかなり待つだろうと覚悟していたが、15分くらいで乗ることができた。ぎゅうぎゅうに押し込められて、やっとの思いで乗ることができたが、高速エレベーターというだけあって、すぐに到着した。上階ではまだまだ行列ができているのだろう。
下界に降りて見上げた展望テラスは、夕陽に照らされて輝いている。
「テラスを夕陽が照らす……なんちって」
なんて言ってひとりで大受けしている彼を見ているだけで、こっちまで笑えてくる。
「さあ、そろそろお腹すかない?」
「んー、まあ、そう言われるとそんな気も」
「じゃ、ご飯食べに行こ! 予約してあるんだ」
え、そうなの?
あんなに忙しそうだったのに、いつの間に予約なんてしていたのだろう。
ちょっと嬉しい。
それから駐車場に止めていた車の元に行き、彼が予約をしているというレストランまで移動する。
案の定渋滞にはまってしまったが、それも計算済みのようで。
しばらくして到着した場所は……。
え?
大丈夫?
そこは有名老舗ホテルの豪華なレストラン。
若い私たちにはなんか場違いな気もするが、嬉しそうにレストランの説明をしている彼を見ていると、たまには豪華な食事もいいかなって思える。
なんてったって、クリスマスなんだもん。
いいよね。
レストランの入り口を入り、予約の名前を告げる。
着ていたコートを預けると、ソファーで待つように促された。
ドキドキの時間である。
お読み下さりありがとうございました。
次話「3連休なクリスマス(4)」もよろしくお願いします!




