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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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3連休なクリスマス(1)

 次の日、朝食を済ませて、まだ話し足りないなという思いと私を乗せた同期の車は、渋滞に巻き込まれている。


 龍也たつやくんは朝のN700系のぞみ号でこちらに向かうということなので、11時に待ち合わせをしている。

 9時に別荘を出発。田舎道は順調に進んでいたので、最寄りの駅まででなく下界の駅まで送ってくれるという同期。

 せっかくの申し出に甘えて、楽しくおしゃべりしていたのだけれど……。

 街が近づくにつれて、当り前だが交通量は増えて、あれよあれよという間に渋滞の列の仲間入り。

 やはり休日の今頃は、お出かけする人たちでいっぱいということか。


 もうここまで来たからには引き返すこともできず、また迂回路もないためおとなしく行列の一部と化す。


「ごめんね~」


 渋滞しているのは彼女のせいではない。


「いいよ、気にしないで」


 とは言うものの、待ち合わせには確実に遅れる、というのは決定事項だ。

 しかも電車と違い、車は時間が読めない。

 車中でならまだしも、電車のホームでこの冬の寒空の下、いくら晴天だとはいえ、1時間も待たせるのは忍びない。

 申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


 同期との会話にもだんだんと身が入らなくなっていく。






 1時間遅れで待ち合わせ場所に到着した。

 思わず駆け寄った私。


「ごめんね。寒かったでしょ?」


「いいよいいよ。ちゃんと来てくれたから」


 彼の優しさが沁みる。


「ホント、ごめん」


「ううっ、さみぃ」


 やっぱ寒いよね。

 待合室で待ってたらよかったのに。

 でも、私が気づかずに心細い思いをしたら可哀相だからって。


「もうお昼になっちゃったね」


「ほんとだ。道理でお腹すいたと思ったよ」


 そう言って笑う彼。

 そんな彼を見ていると、この前までのもやもやな気持ちなど吹っ飛んだ。

 いろいろと勝手に考え込んでいた自分がイヤになる。


「じゃあ、ご飯食べに行こっか」


「それ、オレのセリフ~」


 やっぱり彼のこと好きだな。

 一緒にいて楽しいのが一番。


 その後、私たちは電車にゆらり揺られて大型ターミナル駅に向かった。


 そこで大はしゃぎをしながら昼食を摂り、その後場所を変えて食後のコーヒーを堪能した。

 逢えない間の積もる話を存分にして、そして浩ちゃんのことも報告して。

 別に報告義務はないけれども、共通の友人でもあるし、隠すことなど何もないのでちゃんと話しておこうと思った。クリスマスにふたりで過ごすことも。


 明日はクリスマスのイヴのイヴ。いわゆるイヴイヴだ。

 明後日はクリスマス・イヴだが、龍也くんはお昼の新幹線で帰っていくから、私たちにとっては明日がクリスマスだ。


 龍也くんはクリスマスは仕事だし、遠距離で一緒に過ごすことができないのを気にしているようだったけど。

 日にちなんて関係ない。

 私たちが、この日と決めて一緒に過ごせる日が、私たちにとってのクリスマスなのだから。



お読み下さりありがとうございました。


次話「3連休なクリスマス(2)」もよろしくお願いします!

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