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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
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クリスマス女子会

 頑張った甲斐あって、なんとか定時の17時に仕事を終えることができた。


「お先に失礼します」


 ただ今17時05分。今までの中でもかなり早い時間に退社できる。というか、してしまう。


「あ、お疲れ~」


「お疲れさまです」


「お、今日は早いね。クリスマス前だし、デートかな?」


 そんなこと聞かれて「はい、今から彼とデートなんです」なんていう人はいない。

 いや、いるかも?

 まあ、滅多にいない。


「まさかぁ~。そんな相手いませんよ。女子会があるんです」


 私には彼はいないことになっている。

 いろんなことを根掘り葉掘り、興味本位に聞かれるのが面倒くさいからだ。

 みんな自分のことは言いたがらないくせに、人のこととなると結構ずかずかと心に土足で入ってくる。

 そして暇つぶしの格好のネタになる。

 それだけはどうしても避けたい。


「そっか。それは楽しそうだね」


 どうも~、と愛想笑いを振りまいてロッカールームに向かう。


 仕事仲間は仕事仲間。会社関係だけの付き合いにしたい。

 だって、面倒くさいから。

 ただでさえ、この時期忘年会やらなんやらで、やたらと会社の人たちと過ごす時間が増えてきている。

 やっぱり、職場の同僚、上司に後輩って気を使う。

 学生時代のお互いの損得を度外視した関係って、社会人になってからなかなかお目にかかれない。


 男性社員なんかを見ていると、よく思うんだけど。

 一見仲よさそうにいつも一緒にいるくせに、実は陰ではライバル心むき出しで、お互いの悪口を言ってみたり、足の引っ張り合いをしてみたり。


 自分より後輩に先を越されそうになった先輩なんて、全力でつぶしにかかろうとしているし。失敗をさせようと無茶な仕事を振ってみたり。


 同期だって、初めはいい。入社したてのころは慣れない社会人生活の愚痴を言い合ったりして。

 お互いに励まし合ったり。一見いい関係を築いているかのように見えても、上司が自分より同期に目をかけていると感じたり、また同期が先に出世しようとしたときなんかは、お酒の席なんかでグチグチと。


 あれ? 仲良しじゃなかったの?


 飲み過ぎてつい本音がでたのか。


 まあ、出世が絡んでくるとはいえ、そういうのを目の当たりにしていると、『人間って怖いな』と思う。


 だから、気心の知れた相手と、損得なしに付き合える相手と過ごしたいと思う。

 




 みんなとは18時に駅前で合流して、数台の車に分乗して先輩の別荘に向かう。

 途中買い出しなんかをしながらワイワイと。女子の間で話は尽きない。


 車はだんだんと住宅街から、山道に入って行く。

 といっても、周りは田んぼや畑や川なんかがあって、のどかな場所だが、ただ今、夜の6時45分。

 当り前だが、もう真っ暗で街灯もやや街中より少なめなこの辺りで、景色を堪能することなどできない。

 お昼間は見晴らしがよくて、素敵なんだろうなと想像するばかりだ。


 19時過ぎ、ようやく別荘に到着。

 大急ぎで飾り付けを済ませて、みんな寝る準備を整えてからの、いよいよパーティーの始まりだ。


 主婦な先輩方がお家で作って持ち寄ってくれたご自慢の手料理に、途中で購入したケーキ。

 そして忘れてはならない、クリスマスには欠かせない『チキン』。

 欧米では『七面鳥ターキー』なのだが、日本人には馴染みが薄い。

 そもそもなぜ『七面鳥ターキー』なのかさえも知らない。


 有名なフライドチキンを大きなまあるい箱単位で数個買って、それで大満足。


 クライマックスは室内灯を消して、ローソクを灯したケーキを並べ、幻想的な空間の中で定番のクリスマスソングを歌い、わいわいと尽きない話。


 楽しい時間はあっという間に過ぎ、お腹いっぱい食べ疲れ、しゃべり疲れた女子たちは眠りにつくのだった……。



お読み下さりありがとうございました。


次話はいよいよ龍也との待ち合わせ。

「3連休なクリスマス(1)」明日更新します。


よろしくお願いします!

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