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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第7章】 秋から冬へ
85/168

不満

 師走とはよく言ったもので、12月の一日は他の月に比べて倍速なんじゃないかと思うくらいに早く過ぎてゆく。龍也たつやくんからの連絡がどうのこうのと考えているヒマもなく、あっという間に1週間が過ぎてしまった。


 クリスマスの連休まであと10日ほど。もういい加減予定を決めないと。


 龍也くんが3連休に帰ってくるか、またいつ逢えるかなんてもう半分どうでもよくなってきた。

 ひとつの事柄について、あまり長時間考え続けるのって疲れる。

 逢いたい気持ちはあるよ。でも……でもね。そのことばかり考えているわけにはいかないの。

 私にも私の生活がある。家族も友人もいる。どちらも大切にしたい。


 進まない話にこちらのペースを乱されるのに、少々いらだっている……というか、飽き飽きしているというか。それなら確実に進む話の方を優先したくなるのは当然のことだと思う。




 また1週間ぶりの連絡が入った。

 3連休には『どうやら帰れそう』とのこと。


 嬉しい。


 でもね、ちょっと遅かったよ、その言葉。

 

 学生時代の部活のOGで久し振りに集まることになっているから。卒業後も学年にこだわらずずっと仲良くしている仲間たち。毎年クリスマスにはひとりひと品ずつ手料理を持ち寄り、現役・OGでお昼に集まってクリスマス・パーティーを開催している。まあ、クリスマスにはそれぞれ予定もあるだろうから、日にちは少しずらしてはいるけれど、今年はみんなで先輩の別荘に遊びに行くことになっている。

 別荘と言うからにはもちろん泊まりがけで。

 参加人数、今のところは15名。仲良しで集まっての女子会。そんなの行きたいに決まっている。


 もう行くって言っちゃったよ。


『えー、マジ?』


 電話の向こうの龍也くんの、あきらかにがっかりした声を聞くとちょっと胸が痛む。


「だって、全然連絡ないし、もう逢えないんだと思ってた。連休に帰れるっていつ解ったの?」


『昨日だけど』


「じゃあ、昨日連絡くれてたらよかったのに」


 そう、私の予定は昨日決まったばかり。

 昨日連絡くれてたら間に合ったかもね。


「どうせ、友達のほうに先に連絡してたんでしょ?」


『だって、ほら、クリスマスはみんな予定があるかもしれないから』


「私にだって予定はあるよ」


『あいつら早く連絡つけないとうるさいし』


「そうやっていつも私のことは後回し。前から思ってたけど、私ってそんなに優先順位低いんだ」


 そう。他の人とはいち早く連絡取り合ってるくせに。

 私のことはいつも後回し。一番最後。

 

『そういうことじゃなくって……』


「だって、大切に想っているなら最優先にしてくれるんじゃないの?」


 気づいてないと思っていたの?


『大切に想ってるよ』


「口ではなんとでも言えるよ。態度で現れてるじゃん」


『なに言ってんだよ』


 大切に想ってるなら放っておかないよ。


「電話で話せばすぐに済むやりとりでも、わざわざメール。そのメールのいったりきたりする間、もやもやするって思わないの?」


『オレは海彩かっこちゃんとのやり取りを楽しみたいんだよ』


「はあ? なに都合のいい言い訳してんの? 12月は忙しいのよ。ウダウダ言ってるヒマはないの! 話があるなら完結にまとめてくれる?」


 スマホ越しに彼のため息が聞こえる。

 言い過ぎた?

 いいえ、まだ言い足りないくらい。それほどまでに私には不満が溢れていたのだ。


『連休には逢えるよな?』


「さあ、まだなんとも。もう約束しちゃったし。それと、連休明けの25日のクリスマスは浩ちゃんと過ごすことになったから」


『え、和田と?』


「そう。浩ちゃんとだったら話が早く進むから」


『どういうことだ?』


「別に。じゃあ」


 そう言って私は一方的に会話を終了した。



お読み下さりありがとうございます。


会いたいくせに強がり言っちゃう海彩の悪いところがでてしまいましたね。

でも、ほったらかしにされてると感じさせる龍也も悪い!


今後、どうなっちゃうんでしょうか。

次話もよろしくお願いします!

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