夏期休暇(2)
それでどうしたいの?
一体なにが言いたいの?
「別に」
「ならどうして私にそんな話を?」
「隠し事をするのは嫌だなって思って」
「ふうん、それで?」
「もし今度電話がかかってきたら、もう……」
「まあ、がんばって」
龍也くんは以前、私が『友達』にしつこくされていたときには、男らしくキッパリと『友達』に言い放ったのに、自分のことになるとちょっと尻込みしちゃうのかな?
相手に気を使っちゃうタイプだから、あまりキツく言えないようだし、言い方を考えてしまうのだろうか。
まあ、多かれ少なかれみんなそういうところはあるのかも。私だって人には偉そうなことを言いながらも、自分のこととなるとダメダメになっちゃう時がある。
自分でも解ってるんだよ、ちゃんと。こういうところ、ダメだなぁって。でもね、自分にはつい甘くなっちゃう。人には求めるくせにね。
もっと強くならなきゃ。
「まあ、がんばってって。淡泊だなぁ」
「なにが?」
「普通さ、こういう話すると、『どういうつもり?』とか『私のことどう想ってるの?』とか聞くんじゃないの?」
「聞いてほしいの?」
「いや、それはそれでちょっと」
「でしょ? なら聞く必要ないじゃん」
「元カノがよりを戻したいって言ってんだよ?」
「さっき聞いた」
「嫌じゃないの?」
「は?」
嫌に決まってるじゃん。
「は? って。ヤキモチとか焼かないの?」
「焼いてほしいの?」
「まあ、少しくらいは……」
なんだ、ヤキモチ焼いてほしいんじゃん。ちょっと可愛いとこあるな。
だったら、そんな回りくどいこと言わずにもっと素直に言えばいいのに。
「ふうん」
でもダメだ。そんな甘いこと言えない。
『やだ、元カノとよりなんて戻さないで~』とか。
心で思っていてもとてもとても言葉では言えない。
「オレが彼女のところに戻らないかとか、不安じゃないの?」
不安な気持ちがないと言えば嘘になる。
でも……。
「そんなの私が決めることじゃない」
むしろ心と反対のことを言ってしまう。
「そっか」
「龍也くんが思うようにすればいいよ。彼女のところに戻りたければそうすればいいし、私といたいと思えばそうすればいいし」
ああ、また心にもないことを口走っている。
いつまでたっても成長しない私。
「そうするよ」
あーあ、心にもないこと言っちゃうから。
龍也くん、どうするのかなぁ……。
今話には、今後(秋口)のエピソードに繋がるなにかが……ごにょごにょ。
お読み下さりありがとうございました。
次話もよろしくお願いします!




