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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第5章】 転勤間近
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夏期休暇(2)

 それでどうしたいの?

 一体なにが言いたいの?


「別に」


「ならどうして私にそんな話を?」


「隠し事をするのは嫌だなって思って」


「ふうん、それで?」


「もし今度電話がかかってきたら、もう……」


「まあ、がんばって」


 龍也たつやくんは以前、私が『友達』にしつこくされていたときには、男らしくキッパリと『友達(アイツ)』に言い放ったのに、自分のことになるとちょっと尻込みしちゃうのかな?

 相手に気を使っちゃうタイプだから、あまりキツく言えないようだし、言い方を考えてしまうのだろうか。

 

 まあ、多かれ少なかれみんなそういうところはあるのかも。私だって人には偉そうなことを言いながらも、自分のこととなるとダメダメになっちゃう時がある。

 自分でも解ってるんだよ、ちゃんと。こういうところ、ダメだなぁって。でもね、自分にはつい甘くなっちゃう。人には求めるくせにね。


 もっと強くならなきゃ。



「まあ、がんばってって。淡泊だなぁ」


「なにが?」


「普通さ、こういう話すると、『どういうつもり?』とか『私のことどう想ってるの?』とか聞くんじゃないの?」


「聞いてほしいの?」


「いや、それはそれでちょっと」


「でしょ? なら聞く必要ないじゃん」


「元カノがよりを戻したいって言ってんだよ?」


「さっき聞いた」


「嫌じゃないの?」


「は?」


 嫌に決まってるじゃん。


「は? って。ヤキモチとか焼かないの?」


「焼いてほしいの?」


「まあ、少しくらいは……」


 なんだ、ヤキモチ焼いてほしいんじゃん。ちょっと可愛いとこあるな。

 だったら、そんな回りくどいこと言わずにもっと素直に言えばいいのに。


「ふうん」


 でもダメだ。そんな甘いこと言えない。

『やだ、元カノとよりなんて戻さないで~』とか。

 心で思っていてもとてもとても言葉では言えない。


「オレが彼女のところに戻らないかとか、不安じゃないの?」


 不安な気持ちがないと言えば嘘になる。

 でも……。


「そんなの私が決めることじゃない」


 むしろ心と反対のことを言ってしまう。


「そっか」


「龍也くんが思うようにすればいいよ。彼女のところに戻りたければそうすればいいし、私といたいと思えばそうすればいいし」


 ああ、また心にもないことを口走っている。

 いつまでたっても成長しない私。


「そうするよ」


 

あーあ、心にもないこと言っちゃうから。

龍也くん、どうするのかなぁ……。


今話には、今後(秋口)のエピソードに繋がるなにかが……ごにょごにょ。


お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!




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