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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第4章】 転勤決定
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7月25日(水)星空祭 (ほしぞらまつり)ー2

 今日は2人して有給休暇を取って、この辺りではテレビ中継もされるほどの大きなお祭り『星空祭ほしぞらまつり』へ。


 いつもは龍也くんの愛車、黒のSUVでお出かけするのだけど、今回は初めての電車デート。


 現地に着くも、人混みにまみれて歩くのも一苦労。

 それでもいろんな出店を見て歩いたり、ちょっとした食べ物をほおばったり。

 冗談言って笑い合って、手を繋いで、たまに見つめ合って吹き出して。


 まだ付き合いだして1ヶ月とちょっと。

 今が一番楽しくてこころときめく季節。


 そして転勤まであと1ヶ月とちょっと。

 今が一番楽しくてこころゆらめく季節。


 もうすぐ離ればなれになってしまって、今みたいに頻繁に会うことができなくなってしまう。


 まだ1ヶ月も先のこと。

 もう1ヶ月しか時間が。


 お互い口には出さないけれど、複雑な心境であることに違いはない。

 今を楽しもう。一生懸命楽しもう。

 だって、先のことは解らないのだから……。




 商店街の屋台にも、そこを抜けた会場までの道程みちのりにも誘惑がいっぱい。

 綿菓子にリンゴ飴、ヨーヨー釣りに金魚すくい。あと、たこ焼きに……。


 ちょっとばかし歩き疲れたね、なんて言いながらも出店ゾーンを抜けて、ちょっとした広場に到着した。

 中心にやぐらが組んであって太鼓が設置されている。どうやらこの辺りで盆踊り大会があるようだ。

 そして夜になると花火大会が。星空に散りばめられる色とりどりの……って、20時からなんて!


 明日も朝早いし、ここから家は遠いし、20歳越えてるのに門限はあるし。

 30分でも見られるだけましだね、なんて言いながらも連続打ち上げのクライマックスが見られないのは、やっぱり残念だな。


 龍也くんはいつも必ず門限に間に合うように送ってくれる。

 時間にきっちりしているし、それだけ大事にしてくれているのだな、と実感する。




「来月の初めに一度千葉に行くことになってさ」

 

 急に真面目な面持ちで話し出した彼の表情に、少し不安を覚えながらも平常心で答える。


「そっか。下見っていうことかな? 前もって見に行けるのはいいよね」


「そうだな。だから8月の一週目は会えないかな」


「そうなんだ。ま、仕方ないよ。お仕事優先!」


「ありがとう。でも1週間会えないって、ちょっと寂しいな」


「ちょっとだけなんだ」


「いやいや、めっちゃ寂しいよ」


「お土産よろしく! なんだっけ、ピーナッツ? 落花生?」


海彩みいちゃんは寂しくないの?」


「別に」


「そうなんだ」


 寂しいに決まってる。でも言わない。

 寂しいよ、なんて言ってみても仕方がないことだし。

 たったの1週間くらい会えなくったって、9月からの転勤後に比べればどうってことない。


「しっかり下見しておいでよ」


「ああ、それまでにもう一回会いたいな」


 いつになく気弱な龍也くん。

 でも気持ち解るな。全然知らないところに1人で行かなければならないのだから。

 9月までは少しくらいのワガママは聞いてあげよう。

 その後は大変な仕事が待っているのだから。



お読み下さりありがとうございました。


今後少しずつ遠距離恋愛開始に向けて、お話が動き出す予定。

どうぞ2人の行方を見守っていただけますように……。


次話もよろしくお願いします!


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